ディーラー会社との民事訴訟中のフィアット・クライスラー
自動車メーカーのフィアット・クライスラーは18日、第2四半期と年次報告においてアメリカの顧客に関する売上報告についてアメリカ当局から調査を受けているという発表を行いました。
証券取引委員会(SEC)と司法省による調査が行われていて、フィアット・クライスラー社は調査に全面的に協力するというコメントを出しています。
虚偽の発注をディーラーに求めた疑い
当局による調査が行われたのは、フィアット・クライスラー社が出している販売実績に対して、異議申し立ての民事訴訟が提訴されたためで、同社が1月にディーラーに金銭を支払って実際よりも多く販売したようにみせかけたと内容でした。
ディーラー会社のネイプルトン・オートモーティブ・グループによると、フィアット・クライスラー社はネイプルトンに対して2万ドルを支払う代わりに40万台の虚偽の発注を行うよう働きかけてきたということです。
フィアット・クライスラー社はそのような事実はないと否定していて、裁判は現在も進行中です。
フィアット・クライスラー社は収入報告は購入者への直接販売ではなく、ディーラーへの出荷数に基づいて算出しているとしています。
好調が続いていたフィアット・クライスラーの売り上げ
昨年の売上は220万台という報告書が出ていて、この上半期では115万台を販売し、売上高は6%のアップをしていると報告されています。
6月の月例売上報告は7%の上昇を見せていて、2005年以来もっとも高い数字となっています。また、2014年にフィアット社がクライスラー社を合併してからは売上は好調を維持してきました。
しかし、売上報告の方法として購入者の注文数ではなく、ディーラーの発注数に基づいた売上報告の仕方について疑問の声も上がっています。
証券取引委員会と司法省からコメントは出ていません。
<追記>
フィアット・クライスラーは8月におけるヨーロッパでの販売実績が20.4%増とし、24ヶ月連続で前年実績を上回っています。欧州Aセグメントにおいて30%のシェアを獲得し、首位の座を保持しています。
参照
http://www.bbc.com/news/business-36828178
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-18/OAJ2RG6K50XU01
http://www.detroitnews.com/story/business/autos/chrysler/2016/07/18/fca-investigation/87253660/
http://response.jp/article/2016/09/21/282144.html
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