オーストラリアとニュージーランドの元将兵1000人が式典のためにベトナムに
1966年8月18日にベトナム南部で激戦が繰り広げられ、ベトナム人数百人、オーストラリア人18人が死亡しています。ベトナム戦争の中でも熾烈をきわめたロン・タンの戦いから今年で50年となり、ベトナムでは記念式典などが催される予定でした。
しかし、当日間際になってベトナム政府は1000人近いオーストラリアとニュージーランドの元将兵や関係者の参加が現地の人の感情を損ねる可能性があるとして式典を中止しています。
式典への参加に当たってオーストラリア側はなるべく目立たないようにしているとベトナム政府に通知していましたが、それでもあまりの人数の多さにその影響が無視できなくなってしまったのか、行事そのものを取りやめにしています。
ターンブル首相の働きかけにより、記念十字架へは参列できることに
オーストラリア政府のダン・ティーハン復員軍人問題相は「ベトナム政府が記念式典の前日に中止を決定したのは遺憾である」というコメントを発表しています。オーストラリア政府によるとロン・タンでの記念式典は1989年からオーストラリアが行っているものだということで、今回の50周年の式典は1年半前から退役軍人の人たちが計画を練ってきたものでした。
また、オーストラリアやニュージーランドの大使が参加する公式のパーティや献花、ロン・タンの戦跡記念十字架前への参列も、当初は1000人以上が全員行う予定となっていましたが、100人のみが行うことが可能になっています。
Commemorating the 50th anniversary of the Vietnam War with a wreath-laying ceremony @ Pukeahu National War Memorial. pic.twitter.com/yM9GNPX2xF— Australia in NZ (@AusHCNZ) 2016年8月18日
式典の開催だけでなく、記念十字架への参列もベトナム政府によって止められていましたが、同国に渡った退役軍人たちの感情もくみ取って欲しいというターンブル首相の働きかけにより、一部の人の参列が認められたのでした。
「オーストラリアとベトナムは政府高官レベルの協議を行い、ベトナム政府はロン・タンの戦跡記念十字架への立ち入りを制限つきで許可することに合意した」とオーストラリア政府は発表しています。
やはり現地の人への配慮のために、勲章や制服の着用、スピーチを記念十字架の周りを行うことは禁止されています。
記念十字架が私有地にあることから現地の警察が入場を規制し、参列が許可されていない人は近くまでいけない状況だということです。
参照
http://www.bbc.com/news/world-asia-37091398
http://www.nytimes.com/2016/08/18/world/australia/vietnam-long-tan-battle.html?_r=0