Papi酱 |
「クリーンなインターネット世界」のために削除されたPapi酱の動画
中国政府は動画投稿サイト「Youku(优酷)」で大人気を博してきた「Papi酱」の動画に対して検閲を行い、習近平国家主席がめざす「清く正しい」インターネットを実現するために彼女の投稿した動画をほぼ削除し、残った動画も再生できない状態になっています。
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個人投資を受けるほどの人気を誇るPapi酱
Papi酱が投稿していた動画は、2、3分の長さで、基本的にまくしたてるような言葉づかいをした、コミカルな内容のもの。Papi酱のチャンネルは100万回再生前後に達し、中国版のツイッター「Weibo(新浪微博)」では11万人のフォロワーを抱えるほどの人気ぶりです。また、3月にはその注目度が目にとまり、個人投資家から1200万元(およそ240万円)の出資を受けていました。
Papi酱は現在29歳で、この名前はハンドルネームで、「パピーちゃん」といったニュアンス。一人芝居のような動画の構成で、早口なセリフは映像制作の学校を出た経験を生かした技術なのかもしれません。テーマは女性ならではの話をメインにしています。そうした魅力から爆発的に支持を集めるようになり、このわずか数か月でファンを獲得していました。
Papi酱は動画が削除された月曜日にWeibo上で謝罪のコメントを載せました。
「自作動画を投稿する存在として、これからはもっと自らの言葉とイメージに気をつけ、是正への要求にしっかりと対応したいと思います。そして皆様にまた前向きな力を伝えていく所存です」
メディアへの監視を強める中国政府
中国政府はこれまでにもインターネットやメディアの監視を厳しく行ってきましたが、最近では「パマナ文書」が話題になるやいなやネットでこのワードを検索できなくしたり、子供向けのテレビ番組の登場人物にまで目を光らせており、今回は個人が運営する動画サイトがその標的になりました。
政府にとって問題だったのはPapi酱の「下品な言葉づかい」で、一般の人からの報告と専門家の評価の結果、インターネット社会において適切ではないという判断を下したということです。Papi酱が動画の投稿が可能になるのは、そうした言葉づかいがなくなり、問題ないと認められた時点になります。
一方で、Papi酱のファンはWeiboで、動画の中で江沢民元国家主席のメガネについて軽く触れてしまったことが共産党首脳の怒りに触れてしまったのではないかと考えている人もいます。
YouTubeではPapi酱の動画が今も見られる状態ですが、中国ではYouTubeは視聴できない環境なので、中国国内のファンはPapi酱の投稿がまったく見られない状態。今回の政府の対応にやはり不満を持つ人も多いようで、「みんながみんなPapi酱のようになれるわけじゃないけど、間違いなくみんながみんな行政府のことが大嫌い」といった投稿もありました。
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