アップル社の「IPHONE」に対する訴訟とは正反対の結果に
中国の北京高級裁判所は広東省に拠点を置く中山珠江が2014年に商標登録をしていた「face book」というロゴは認められるべきではないという判決を下しました。
中国での商標登録の訴訟に関しては、5月4日にアップル社が「IPHONE」の商標登録取り消しを求める訴えが北京高級裁判所で認められなかったという判決が出ています。
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なお、アップル社は最高人民法院(中国の最高裁判所)への上告をするつもりだとコメントしています。
また、FacebookやiPhoneと同じような中国でのロゴの登録商標をめぐる問題は、ごく最近では5月始めにスポーツウェメーカーのアンダーアーマーに酷似したロゴを使用した「Uncle Martian(アンクル・マーシャン)」というブランドが立ち上がり、早くも論争が巻き起こっています。
「明らかな模倣の意図があり、認知度の高いロゴを真似している」
似たような判例ながら、アップル社とはまったく正反対の結果が出た今回の裁判ですが、判決の理由は中山珠江が明らかに模倣の意図が見られ認知度の高いロゴを真似した「道徳的原理に反した」行為だとしています。
この判決を受けて中山珠江は判決に不満を抱き、「我々の商標登録が不当だというなら、どうして最初に認可が下りたのだ。Facebookが世界的に影響力のあるブランドだというなら、どうして中国の人がアクセスできないのだ?」とコメントしています。
中国国内でのFacebookとザッカーバーグ氏
中国には7億人ものネットユーザーがいますが、中国国内ではFacebookへのアクセスは政府によって禁止されています。創設者のマーク・ザッカーバーグ氏はなんとしても中国市場への参入を図りたいと考え、中国政府に対してさまざまな働きかけをしてきました。
すでに幾度も中国に足を運んでいるザッカーバーグ氏は中国語も習得中で、今年の3月にも訪中して中国共産党最高指導部メンバーら政財界の大物たちと会談をいくつもこなしたというニュースが流れています。サンフランシスコの自宅に検閲局の長官を招いてもてなしたり、天安門広場でジョギングをしたりと積極的なアプローチを試みています。
もしかしたら、今回の裁判の判決もそうしたザッカーバーグ氏の姿勢が北京高級裁判所の裁判官たちの心証を良くするのに寄与したのかもしれません。
Facebookそのものは中国のインターネット環境ではブロックされていますが、それでもFacebookとザッカーバーグ氏の知名度は高いという不思議な状況にあります。それはバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を使用し、中国政府の検閲システム「グレートファイアウォール」(万里の長城「グレートウォール」をもじったもの)をかいくぐり海外のサイトにアクセスする方法などによって彼知る機会があるからです。
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