今回の滞在の中で「双子の宇宙実験」もミッションの1つに入っていた
火星への有人探査を視野に入れたISSの長期滞在から帰ってきた宇宙飛行士の1人、スコット・ケリーさん(写真右)。宇宙空間の連続滞在が340日、通算滞在日数が520日というアメリカ人宇宙飛行士として最長の記録を更新しました。
そんなスコット・ケリーさんには、彼にしかできない宇宙実験に加わっています。それは「双子の宇宙実験」。宇宙飛行士が宇宙空間にいる間にどんな身体的影響が出るのかを調べるために、同じ遺伝子を持つ双子を比較するというものです。
そう、スコット・ケリーさんにはマークさん(写真左)という双子の兄弟がいるんです。しかもマークさんはもう引退されていますが、元宇宙飛行士でした。まさにマンガの『宇宙兄弟』ですね。
5cm伸びた身長が2日で元に戻る
地球に帰還直後にNASAがスコットさんの身長を計測したときには出発前よりも約5cm伸びていたということです。
さらにCNNがマークさんに取材したところによると、それから1時間後にスコットさんと背中合わせで測ったところ約3.8cm伸びている状態になったとのこと。
そして2日後には元に戻ったそうです。
これは無重力状態のISS滞在中には地上のように重力が働かないため、背骨にかかる圧力が無くなり、身長が伸びるのです。
こうした宇宙空間での生活が身体にどのような影響を与えるかを調べることも、これから火星への有人探査を行うためにNASAが準備しておかなければいけないことになります。
滞在中の写真が話題に
スコットさんはISS滞在中にも私たちとの交流につとめ、TwitterやInstagramでモジュールから撮影した地球や星などの写真をアップしていました。あまりの美しさに世界中で反響を呼びました。ここにそのいくつかを紹介したいと思います。
Nominated for @ShortyAwards! Voting ends tonight 11:59ET https://t.co/FFZnC0Qtic Thanks 4 following my #YearInSpace! pic.twitter.com/4ItVnHZ6S4— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月18日
オーロラが立ち上る
Day 322. #Japan at night this morning. #GoodNight from @space_station! #YearInSpace pic.twitter.com/lZcmu5aPKS— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月13日
夜の日本
#Countdown Let's take this 16 sunsets at a time. 8 days to go tomorrow! #GoodNight from @space_station! #YearInSpace pic.twitter.com/7orjlMnQKJ— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月23日
日没
— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月28日
氷河
— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年1月19日
バハマの海
— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月11日エジプト
夜のマケドニアDay 329. One night over #Macedonia. #GoodNight from @space_station! #YearInSpace pic.twitter.com/uJHAXG1maK— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年2月20日
Back to #Earth last night. Today I head back home! Stretching my space legs on my first refuel stop. #YearInSpace pic.twitter.com/pCJea2LfeR— Scott Kelly (@StationCDRKelly) 2016年3月2日
地球帰還翌日のスコットさん。家に帰ります。
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