日常的に身体活動をしている女性は前頭前野の酸素利用性が高い
運動が体の健康にいいということは、実際にしているかどうかは別にして、誰もが知っていることです。しかし、最近の研究で定期的に体を動かす人は脳の認知能力が高いという事実が確認されました。
ニュージーランドにあるオタゴ大学のトレーシー・キャメロン教授たちは、若い健康的な女性52人を対象に定期的な運動と脳の前頭前野における酸素利用性の関係について調査しました。
脳の前頭葉のうち、もっとも額に近いところにあるのが前頭前野です。ここは人が社会的な生活をしていくうえで必要で複雑な働きをする重要な部分になります。
たとえば、
- ものを考える
- 人とコミュニケーションをとる
- 意識を向ける、集中する
- 状況を把握する
- 感情をコントロールする
- 衝動を抑える
- ものごとを決める
といったことをします。
キャメロン教授たちの研究によると、日常的に運動をしている人はこの前頭前野での酸素利用性が高い、つまり行き渡る酸素の量が多いことがわかりました。これは前頭前野への血流が大きくなるため、酸素の量も大きくなるということです。
これまでにも運動が脳にいい影響を与えるという研究結果はいくつもありました。たとえば、脳の運動機能が鍛えられるというもの。
運動をする人の方が、脳の運動制御をおこなう灰白質の量が多いという内容でした。また、別の研究では神経細胞やシナプスを増やすということもわかってきています。
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