リオデジャネイロ州が財政難で「緊急事態宣言」。原油価格の低迷などで税収減


80年ぶりとなる財政赤字




8月5日に夏季オリンピックが開催されるリオデジャネイロ州が17日、深刻な財政難の状態にあるとして「財政緊急事態」を宣言し、ブラジル連邦政府に対し五輪期間中の公共サービスを滞らせないための資金援助を要請しました。





ブラジルの連邦政府は現在、弾劾裁判の法廷に立っているルセフ大統領に代わって副大統領だったでミシェル・テメル氏が大統領を務めています




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テメル暫定大統領は今週リオデジャネイロを訪問しており、オリンピックの成功のために連邦政府は財政援助をする方針であると発表しています。リオデジャネイロは1930年代以降もっとも財政が悪化した現状にあります。









原油価格の下落と大手石油会社の汚職事件による影響





数多くの石油会社が集まっているリオデジャネイロでは、この2年間低迷し続けている原油価格の影響を受けたために税収が大きく減ってしまいました。





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また、ルラ前大統領の関与も疑われている国営の石油会社ペトロブラスの汚職事件も追い打ちをかける状態になっていて、およそ190億レアル(およそ5700億円)の赤字に苦しんでいます。






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公共サービスやオリンピック開催に向けた工事を停滞させないための支援要請






「緊急事態宣言」は自然災害が起きたときに発令されることが一般的で、地元メディアは財政難を理由に出されるのは異例のことだと報じています。今回の宣言ではリオデジャネイロ州の警察、病院、学校、交通機関、環境管理といった公共サービスを維持することを目的としています。






エドゥアルド・パエス市長は「今回の財政緊急事態宣言はオリンピックの計画進行の妨げになるようなことは決してない。リオデジャネイロ市として約束する」とツイッターでコメントしていて、開幕式の数日前に完成すると思われるさまざまな設備やインフラについても地下鉄の延線以外はそのままの予定で遂行するとしています。







オリンピック期間中にリオデジャネイロを訪れる人の数は50万人に及ぶと見られ、かねてからの問題である治安問題だけでなく、ジカ熱や「スーパーバクテリア」への対応を連邦政府とともに進めなければなりません。



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参照

http://www.cnbc.com/2016/06/17/rio-declares-financial-emergency-requests-funding-for-olympics.html
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061800080&g=int
http://www.sankei.com/world/news/160618/wor1606180017-n1.html






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