100万人以上が海外から観戦に訪れるユーロ2016
アメリカ国務省は6月10日からフランスで始まるサッカー大会UEFA欧州選手権(ユーロ2016)がテロの標的になる可能性があるとして観光に行くアメリカ国民に対して注意を促しました。
ユーロは夏季オリンピックと同じ年に4年に1度開かれる大会で、期間中はヨーロッパ中から多くの人が開催地に集まります。ユーロ2016はで6月10から7月10日までフランス各地の競技場で試合が行われます。
声明で国務省は「夏季の数か月は多くの人がヨーロッパが訪れるため、公共の場はテロ計画がいつも以上に標的となり得る。特に大きなイベントはその可能性がある」としています。
2015年11月のパリの同時多発テロでは国立競技場の「スタッド・ド・フランス」も標的になっていることや、3月22日に起きたベルギーの首都ブリュッセルの同時多発テロも当初はユーロ2016開催中にフランスでテロを起こす予定だったことが逮捕されたISのモハメド・アブリニ容疑者の供述によって明らかになっています。
ベルギーのテロ事件直後には、UEFAがユーロ2016中止も検討されましたが、警備を厳重にして大会は開催されることになりました。
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フランスでの開催は3回目となるUEFA欧州選手権・ユーロには今回およそ250万人の人が試合を観戦すると見られ、試合会場以外でもパブリックビューイングによる観戦も行われます。また、海外からの観光客は100万人に達します。
フランス国内でユーロの試合が開かれる競技場は全部で10ヵ所、決勝までで51試合が組まれています。
総計9万人の警備で開催中の安全を確保する、とフランス内務省
フランス内務省はユーロ2016の開催期間中に警察や憲兵、鎮圧部隊7万7000人に加え、民間警備員1万3000人、ボランティア1000人と9万人以上の人が警備に当たる見込みであるとし、さらに1万人の兵士を各都市に配備するとのことです。
ツール・ド・フランスやカトリックの国際的な集会に対しても注意するよう呼びかけ
アメリカ国務省はユーロ2016だけではなく、7月2日から7月24日まで開かれるツール・ド・フランスや、カトリックの国際的な集会「ワールドユースデー」が7月26日から31日までポーランドのクラクフで行われるため、こうしたイベントについても注意が必要だと警告しています。
参照
http://www.bbc.com/news/world-europe-36416929
http://www.newsweek.com/euro-2016-france-extremists-465030
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2016C152
http://www.cnn.co.jp/world/35081008.html
http://jp.reuters.com/article/euro2016-security-idJPKCN0YH084
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