ペルー大統領選決選投票は歴史的僅差でクチンスキ―元首相が勝利

                                                                                            https://youtu.be/6gVDVpKZZsY

10日にケイコ・フジモリ氏が敗北宣言



5日にペルーで行われた大統領選挙の決選投票は開票率98.7%の時点でも決着がわからない状態でしたが、10日に議会で過半数を占める「人民勢力党」の党首ケイコ・フジモリ氏が敗北宣言。すでに[全国民のために働く」と事実上の勝利宣言をしていたペドロ・クチンスキー元首相の大統領就任が決定しました。





最終的な票差は4万3000票、わずかに0.2%というペルーの大統領選挙の歴史の中でもまれにみる大接戦となりましたが、フジモリ氏は「民主主義の精神にしたがい、開票結果を受け入れる」と敗北宣言。




決選投票に残ったいずれの候補も右派政党で、中南米における左派の後退がまた進んだ結果とも言えます。



参考記事:カストロ議長「キューバが米州機構に復帰することはない」



議会少数派の与党




ペルー議会は1院制なので、クチンスキー元首相の所属する「変革のためのペルー国民」は議会でも3番目の勢力で議席数もフジモリ氏の人民勢力党の4分の1にも満たないため、協力なくしては政治を運営することができません。









第1党である人民勢力党は議会の130ある議席の内73議席を確保しており、18議席しか持たない変革のためのペルー国民を監視する「未来に責任を持つ野党」として存在感を示していくつもりだとフジモリ氏は語っています。








フジモリ氏は選挙結果を受け入れている一方で、一部の投票所で不正があったのではないかという疑惑を投げかけていて選挙に「混乱があった」としています。





分裂してしまった国民の融和が急がれる





フジモリ氏のアルベルト・フジモリ氏は10年ペルーの大統領を務めた人物ですが、現在は人権侵害罪で25年の禁固刑に服しています。クチンスキ―元首相は今回の選挙戦で強権政治を行ったフジモリ元大統領の娘であるケイコ・フジモリ氏が同じような政権運営をする可能性があると訴え、反フジモリ派の人たちの支持を取り込んでいました。





クチンスキ―元首相は77歳で、オクスフォード大学とプリンストン大学で学び、世界銀行でエコノミストを務め、ペルーの財務相、エネルギー相、そして首相を歴任してきました。選挙戦で分裂してしまった世論の融和やフジモリ氏と人民勢力党との折衝、自身の体調についてなどに配慮しなければならなくなるでしょう。クチンスキ―新大統領は7月28日に誕生します。




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参照

http://www.reuters.com/article/us-peru-election-idUSKCN0YW25U
http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/07/peru-election_n_10345200.html
http://mainichi.jp/articles/20160611/ddm/002/030/074000c
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061100034&g=int
http://www.aljazeera.com/news/2016/06/peru-election-keiko-fujimori-concedes-defeat-160610185216975.html





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