リオデジャネイロオリンピックの会場に棲む「スーパーバクテリア」


「スーパーバクテリア」がボートやセーリングの会場に




開幕まであと2ヵ月を切ったリオデジャネイロオリンピックについて、科学者たちはリオデジャネイロの海岸で危険な「スーパーバクテリア」を採取していることから、水泳競技や潟で行われるボートやカヌー競技について警告を発しています。



薬剤耐性を持つ「スーパーバクテリア」




蚊を媒介したジカ熱の発生も心配されている今回のオリンピックですが、「スーパーバクテリア」は薬剤耐性を持った微生物で、発見された場所も多くの観光客が集まる海岸だということです。



参考記事:大統領弾劾、ジカ熱、治安問題。リオデジャネイロ開催を前にブラジルが抱える問題




また、リオデジャネイロの下水道設備が不完全で有害な微生物が繁殖しているのも不安であるとしています。








スーパーバクテリアは泌尿器や胃腸、肺、血流に影響を及ぼす感染症を引き起こし、髄膜炎を併発することもあるということで、セーリングやウィンドサーフィンの競技が開かれるグアナバラ湾などの調査を行ったアメリカ疾病管理予防センターによると感染した患者の50%が死に至るということです。




「グワナバラ湾などに注ぎこむ下水の70%は何の処理もされていない」





毎年感染者があり、少なくても200万人が感染し、2万3000人の死者が出ています。




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スプーン3杯で人体に影響が出るロドリゴ・デ・フレイタス湖の水




また、ブラジル政府のオズワルド・クルス財団研究所が行った調査でもロドリゴ・デ・フレイタス湖やグアナバラ湾に注ぎこむ川でスーパーバクテリアの遺伝子が発見されています。






この湖では魚の大量死が2015年に起きてその量は37トンにもなり、今年1月にも同様の被害が発生しています。アメリカのカリフォルニア州と比べて170倍のウィルスが見つかっており、スプーン3杯分の水を摂取しただけで人体にかならず影響が出るとされています。





この近辺の川には数十万という世帯から流される生活排水に加え、数多くの病院から出る廃棄物も混ざっているために、薬剤に耐性がある微生物が生まれてしまったのではないかと考えられています。





リオデジャネイロ連邦大学のピカソ教授らが2013年9月と2014年9月に行った調査では、ボタフォゴビーチで100%、フラメンゴビーチで90%、コパカバーナで10%の確率でスーパーバクテリアが発見されていて、合わせて7ヵ所で確認されています。








水質汚染や抗生物質耐性菌の専門家であるサウスフロリダ大学のヴァレリー・ハーウッド教授は、スーパーバクテリアが大量に発生したというよりは、周囲の微生物を感染していった結果、高い密度で発見されるようになったのではないかと考えています。






ピカソ教授たちによる調査は2年前のものになりますが、ブラジル政府がオリンピック開催までに対処すると言っていた水質の改善は残念ながら現段階になっても見られません。







参照


http://www.reuters.com/article/us-olympics-rio-superbacteria-exclusive-idUSKCN0YW2E8
http://saopauloshimbun.com/archives/44374
http://www.sankei.com/west/news/160130/wst1601300020-n1.html
http://www.abc.net.au/news/2016-06-11/studies-find-super-bacteria-in-rio-top-beaches/7502288
http://www.latimes.com/sports/sportsnow/la-sp-rio-olympics-super-bateria-20160610-snap-story.html
http://www.news.com.au/sport/olympics/brazilian-scientists-have-detected-a-group-of-drugresistant-bacteria-in-rios-waters/news-story/1fbdcd883026f1f390eb4678629e5a06





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