世界一長く深い鉄道トンネル、ゴッタルドベーストンネルが開業

トンネル工事貫通の様子
                    https://youtu.be/yAJQv1PMGPY より

日本の青函トンネルよりも長いゴッタルドベーストンネル



1988年3月13日の営業開始以来、全長53.85kmで世界一長い鉄道トンネルだった日本の北海道と本州をつなぐ青函トンネルを上回る57kmの長さとなるトンネルが6月1日にスイスで営業を開始しました。


名前は「ゴッタルドベーストンネル」。アルプス山脈を貫き、ウリ州のエルストフェルトからティチーノ州ボーディオまでをつなぎます。ゴッタルドベーストンネルは世界最長であるとともに、世界最深の鉄道トンネルとなります。




<ゴッタルドベーストンネルの開通ライブ配信>






考案は1947年。着工は1999年




実はこのゴッダルドベーストンネルが最初に考案されたのは1947年のこと。スイス技師のカール・エドアルド・ガーナー氏が設計しました。



しかし、コストの問題などの問題から着工は大幅にずれ込み、1999年にようやく作業が始まりました。全長410メートルの長さのボーリングマシンを使った掘削作業にはおよそ2400人の作業員が関わり、3100万トンの土砂が運び出されましたが、9人が作業中に命を落としています。



ボーリングマシンには125人の作業員が3交代制でつき、24時間トンネルを掘り続け、4万8300時間を要しました。










工事にかかった費用は120億スイスフラン(およそ1兆3200億円)。北坑口と南坑口から掘削をして、2010年10月15日に貫通を果たしました。








チューリッヒとミラノの所要時間が1時間短縮



そして開業まで17年かかりましたが、12月には完全営業を開始します。これによってスイスのチューリッヒとイタリアのミラノまでの所要時間が2時間40分となり、これまでよりも約1時間短縮されます。



一続きになった路線を結ぶと、北海にほど近いオランダの都市ロッテルダムと地中海に面したイタリアの都市ジェノバが南北につながったことになります。




スイス連邦鉄道局の発表では、開通当初は1日当たりの乗客数は9000人程度だと見積もられていますが、2020年までに1万5000人にまで増えるとされています。そのとき1日に貨物列車が260本、旅客列車が65本ゴッダルドベーストンネルを通ることになります。



式典にはドイツのメルケル首相やフランスのオランド首相、イタリアのレンツィ首相も出席。





<追記>

12月11日に一般旅客を乗せた列車がゴッダルドベーストンネルを通り始めました。最初の電車はチューリッヒを11日の午前6時9分に出発し、南部ルガノに8時17分に到着。所要時間が30分短縮されています。



参照

http://www.ndtv.com/world-news/worlds-longest-rail-tunnel-set-for-grand-opening-in-switzerland-1414254
http://www.dw.com/en/switzerland-to-open-worlds-longest-rail-tunnel/a-19297023
http://response.jp/article/2010/10/15/146463.html
http://gigazine.net/news/20150831-worlds-longest-tunnel/
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121200695&g=soc



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