イーロン・マスク氏テスラ・モーターズからソーラーシティに買収提案

                                                       picture by Steve Jurvetson

テスラとソーラーシティの統合でマスク氏の理念実現へ




22日にアメリカの電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの会長イーロン・マスク氏が太陽光発電パネルをてがけるソーラーシティを買収する方針であると発表しました。買収金額は25億ドルから30億ドル(およそ2600億円から3100億円)。






ソーラーシティのソーラーパネルを備えた家の普及し、そこで発電した電気でテスラの電池に充電、そしてその電力で電気自動車動かすことになります。相性のいいクリーンエネルギー事業を合わせるという見通しを持ったマスク氏の提案ですが、彼はソーラーモーターズの会長でもあります。










苦戦するソーラーシティへの援助の意味も




このところ数百万ドルという損失を出しているソーラーシティではありますが、この実質的な経営統合によって両社は持続可能なエネルギーを一般的になっている社会というビジョンの実現の足掛かりとなるかもしれません。





テスラのブログでは、「こんな想像の世界を実現させるときが来たのです。テスラの利用者はクリーンな自動車に乗り、エネルギー効率がいいバッテリーを使う。ただ、どれもこの持続可能なエネルギー源とのつながりがなくては成り立ちません。それが太陽です」と今回の統合発表を受けてコメントしています。




関連記事:ソーラーインパルス2がアメリカ横断。ニューヨークに到着





テスラ・モーターズ、ソーラーシティ、そしてスペースXの中心に座るマスク氏






買収提案についてソーラーシティはまだ決議を行っていません。ソーラーシステムの最高経営責任者リンドン・リヴとピーター・リヴはマスク氏のいとこにあたります。両社の役員であり筆頭株主であるマスク氏とアントニオ・グラシアス氏は決議には参加しません。





マスク氏はテスラでは最高経営責任者も務めていて株保有率は21%、そしてソーラーシティの株は22%所有しています。





1株当たり26.50ドル~28.50ドルで、21日のソーラーシティの終値21.19ドルに21%~30%のプレミアムが乗せられることになります。




今回の発表を受けて、ソーラーシティの株価はおよそ18%上昇の25.02ドル。テスラ・モーターズの株価は13%以上下落の189.99ドルで約43億円の損失を出しています。





テスラ・モーターズのソーラーシティ買収はマスク氏の経営理念をより現実のものにするという目的だと思われますが、4月8日にファルコン9ロケットの打ち上げとドローン船の着陸に成功した「スペースX]も彼が立ち上げた企業で、この会社が債権を購入する際にソーラーシティの資金援助を受けています。









テスラ・モーターズの買収提案に関する決議は現地時間の22日、アメリカのマーケットが開く前に会議を行い結論を出すことになります。


⇒自動運転は時期尚早か?テスラとモービルアイは見解の相違で契約終了





<追記>
11月20日
テスラ・モーターズは10月末に新しい住宅向けの太陽光発電(ソーラールーフ)の発表を行いました。


マスク氏はロサンゼルスのユニバーサル・スタジオで開いた記者会見で今後の目標として「従来のものよりも外見、発電効率、耐久性、断熱性を高め、総費用が通常の屋根に電気料金を加えたものよりも安くできるようなソーラールーフにするとコメントしています。




参照

http://www.latimes.com/business/autos/la-fi-hy-tesla-solarcity-20160621-snap-story.html
http://www.reuters.com/article/us-solarcity-m-a-tesla-idUSKCN0Z72WP
http://jp.techcrunch.com/2016/06/22/20160621teslacity/
http://jp.wsj.com/articles/SB11084185715531594181404582143332392428066
http://sorae.jp/030201/2016_04_09_x.html





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