アメリカ大統領候補選は序盤が終了。誰がどのくらい優位なのか?



スーパーサタデーも終わり、現時点での状況


スーパーチューズデーに続き、アメリカ大統領選挙は3月5日に民主党が3つの州、共和党が4つの州で候補指名選挙が行われて、これでひとまず序盤が終了したことになります。






民主党と共和党ではどの日にどの州や地域の候補選が行われるかは多少の違いがありますが、これまでに両党ともそのうちの19箇所での選挙を終えています。全体で56の候補選が行われるので、ちょうど3分の1が経過したことになります。


*(追記)民主党、共和党の候補者の獲得代議員数の速報はサイドバーの「アメリカ大統領選挙、獲得代議員数の速報」をご覧ください。



今の時点で民主党はクリントン氏が12州、サンダース氏が7州で勝利。共和党がトランプ氏が12州、クルーズ氏が6州、ルビオ氏が1州で勝利しています。



しかし、アメリカの大統領候補選は「代議員」を獲得する争いなので、実はそれぞれの州で勝ったか負けたかよりも獲得代議員数の方が重要になってきます。




民主党の獲得代議員数


民主党は候補者に指名されるには、全体4765名の内の2383の代議員が必要です。


現在ヒラリー・クリントン氏の獲得代議員数は646名、バーニー・サンダース氏が424名になります。



これに加えて民主党には「特別代議員」という独自のルールがあります。一般の代議員は予備選に投票した候補と同じ候補に党大会でも投票しなければならないのですが、特別代議員は予備選の投票に縛られません。



大統領経験者や党の役員が特別代議員になるのですが、予備選に縛られないということは、党大会で同じ人に投票するとは限らないわけです。



この特別代議員を合わせるとクリントン氏が1107名、サンダース氏が475名になります。一気にクリントン氏が数を伸ばします。サンダース氏は党の中での立場が苦しく、逆に市民の中での支持でここまできたことがます。



全体の代議員の33%が投票を終えた時点で、クリントン氏は46%以上の代議員を獲得したことになり、かなり優勢な立場にいます。



ただ、これから一般代議員が475名のカリフォルニア州、247名のニューヨーク州など大票田の州の予備選が控えていることや、特別代議員の乗り換えなどもあり、まだクリントン氏が決定的とまでは言えない状況にあります。





共和党の獲得代議員数


共和党の大統領候補者に指名されるには総代議員数の2472名の過半数1237名の支持を得なければなりません。


現在のトップはドナルド・トランプ氏で367名、続いてテッド・クルーズ氏が290名、マルコ・ルビオ氏124名、ジョン・ケーシック氏が34名、そしてベン・カーソン氏が8名を獲得しました。しかし、カーソン氏は4日に大統領選からの撤退を発表しているので、現在の指名候補は4名になります。



とは言え、クルーズ氏とルビオ氏の間は166名もの差がついているので、実質的には1位と2位の争いに絞られてきたようです。



残りの代議員数1649名になっていますが、トランプ氏とクルーズ氏の差は77名。数を見る限り、ニュースなどで報じられている印象ほどトランプがダントツに抜き出ているわけではないようです。


トランプ氏は民主党のサンダース氏と同じく党の中では主流ではなく、市民から大きな支持を集めている候補者で、ロムニー元共和党候補などから厳しい批判を受けています。撤退したカーソン氏は候補者4名の誰を支持するかを表明しませんでしたが、これから候補選が進む中で主流派の人が撤退した場合には現議員である主流派の人を支持する可能性が高くなります。



それがあらためて市民のトランプ支持に火をつけたり、反主流派のクルーズ氏や主流派のルビオ氏と共和党内での勢力バランスがこれからどうなるかによって状況は変わりそうです。


序盤を終わった時点ではトランプ氏が優勢ですが、共和党は大統領候補の指名が長期化したり状況の大きな変化がありそうな分、まだまだ予断が許せない状況にあります。




今後の候補選

3月15日は民主党が5つの州、共和党が6つの州で候補選が行われます。民主党はフロリダ州、イリノイ州、オハイオ州といずれも3ケタの代議員数の投票があるため、ここで大勢が決することも考えられます。


一方、共和党も15日は大きな数の代議員数が決まることから、また候補者がここで絞られることになりそうです。


大統領候補選は6月の上旬から中旬で終わります。共和党はまだまだこれから指名争いが本格化していきます。


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