https://youtu.be/KOk2BPsKlVY |
2015年3月9日にアラブ首長国連邦(UAE)を出発してからおよそ16ヵ月半。ついにソーラーインパルス2が太陽光エネルギーだけで世界一周を達成し、7月26日午前0時05分(現地時間)に出発地点のアブダビに戻ってきました。
スイス人のアンドレ・ボルシュベルグ氏とベルトラン・ピカール氏の2人が代わる代わる操縦しながら成し遂げた偉業ですが、彼らを支えたチームもともにその喜びを分かち合いました。
関連記事:ソーラーインパルス2がカイロに到着。世界1周までアブダビへのフライトを残すのみ
距離にして4万2000kmの飛行
最後のフライトはエジプトの首都カイロを出発してから48時間後到着したのはUAEの首都アブダビのアル・バティーン・エグゼクティブ空港に到着しました。
@SolarImpulse lands in Abu Dhabi. Congratulations team, you've done it! https://t.co/fRJZl7FMAz #SolarImpulse pic.twitter.com/CctRMFGOpG— OMEGA Watches (@omegawatches) 2016年7月26日
"The future is clean."
空港に到着し、大勢の人に拍手で迎えられたボルシュベルグ氏は"The future is clean. The future is you. The future is now. Let's take it further,''(未来はクリーン。未来はみなさんだ。未来はもう今来ている。さらに前へ進もう)と言って歓声に応えました。
昨年の3月から全部で17のフライト期間に分けてソーラーインパルスは飛び続け、その距離は4万2000kmにおよび、3つの大陸に5つの海を渡ってきました。
その中でも最も長かったのが昨年、日本の名古屋からアメリカ・ハワイのカラエロアまで8924kmのフライトは時間にして4日と21時間52分となり、操縦したボルシュベルグ氏は無着陸単独飛行としては最長の世界記録となる距離を飛んでいます。単独飛行中は20分以上眠ることが許されず、その時間が来ると腕に巻いたバンドが振動して起こしてくれるようにしていました。
しかし、これは飛行記録の1つに過ぎず、ソーラーインパルスのフライトは全部で19の世界新記録を打ち立てています。
ソーラーインパルス2の全行程(日にちは現地出発日)
- 2015年3月9日 アブダビ(UEA) ~ マスカット(オマーン) 772km 13時間1分
- 2015年3月10日 マスカット ~ アフマダバード(インド) 1593km 15時間20分
- 2015年3月18日 アフマダバード ~ ワーラーナシー(インド) 1170km 13時間15分
- 2015年3月18日 ワーラーナシー ~ マンダレー(ミャンマー) 1536km 13時間29分
- 2015年3月29日 マンダレー ~ 重慶(中国) 1636km 20時間29分
- 2015年4月21日 重慶 ~ 南京 1384km 17時間22分
- 2015年5月30日 南京 ~ 名古屋 2942km 1日20時間9分
- 2015年6月28日 名古屋 ~ カラエロア(アメリカ、ハワイ) 8924km 4日21時間52分
- 2016年4月21日 カラエロア ~ マウンテンビュー(アメリカ、カリフォルニア) 4200km 2日14時間29分
- 2016年5月2日 マウンテンビュー ~ フェニックス(アメリカ、アリゾナ) 1199km 15時間52分
- 2016年5月12日 フェニックス ~ タルサ(アメリカ、オクラホマ) 1570km 18時間10分
- 2016年5月21日 タルサ ~ デイトン(アメリカ、オハイオ) 1113km 16時間34分
- 2016年5月25日 デイトン ~ リーハイ・バレー(アメリカ、ペンシルバニア) 1044km 16時間47分
- 2016年6月11日 リーハイ・バレー ~ ニューヨーク(アメリカ) 230km 4時間41分
- 2016年6月20日 ニューヨーク ~ セビリア(スペイン) 6765km 2日23時間8分
- 2016年7月11日 セビリア ~ カイロ(エジプト) 3745km 2日50分
- 2016年7月23日 カイロ ~ アブダビ 2694 km 2日47分
#NEWSGRAPHIC of Solar Impulse 2 and map showing its epic journey around the globe pic.twitter.com/icaCmMGo7G— AFP news agency (@AFP) 2016年7月26日
ソーラーインパルス公式サイト(英語)
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<追記>
12/28
世界一周を果たしたソーラーインパルス2は11月22日にアブダビの飛行場から大型貨物機ボーイング747に乗せられてチューリヒ州デューベンドルフの軍用飛行場に帰郷しました。
また、同じスイスが開発した「ソーラーストラトス」が12月7日に公開されました。
同機は2017年2月から試験飛行を開始し、2018年には成層圏に到達する飛行を目指しています。計画では2時間半かけて成層圏に達し、15分間滞在し、3時間かけて戻ってくるとのことです。
参照
http://traveller24.news24.com/News/touchdown-solar-impulse-2-completes-historic-round-the-world-trip-20160726
http://www.bbc.com/news/science-environment-36890563
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120800113&g=int
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