ハリケーン「マシュー」の被害でハイチ南部にコレラ流行の恐れ

マシューによる猛威
                                                    https://youtu.be/iQPJxMQdPbo

一時はカテゴリー5にまで発達したハリケーン「マシュー」



カリブ海沿岸の地域に大きな被害をもたらしている大型のハリケーン「マシュー」は8日から9日(現地時間)にかけての夜中に熱帯低気圧になりました。


しかし、多くの犠牲者が出たハイチではコレラの感染が心配されています。




甚大な被害が出たハイチを襲うコレラ



マシューがもっとも強い勢力を持っていた4日に上陸したハイチでは900人近い死者が出ており、まだ作業が続いているためその数は増えるものと思われます。





それに加え、水の供給と衛生管理の機能がマヒしてしまったハイチの南西部では感染病のコレラが発生し始めており、すでに8日の時点で13人が亡くなっています。



ハイチ保健省のコレラ対策の職員は国内の島や沿岸地域で少なくとも62人の感染を現在確認していて、洪水で街に入った水がそのままになっていることからコレラ流行の危険が迫っていると報告しています。



しかし、現地では医師が足りていないため、治療に手が回らない状態となっています。





ハイチでは2010年の大地震の際にもコレラが流行し、数十万人が感染し9000人以上が死亡しています。




被害が広がるハイチに対し、シンガー・ソングライターのシャキーラ氏が1500万ドル、リオデジャネイロオリンピックなどで活躍したウサイン・ボルト氏が1000万ドルの寄付を行っています。




警戒が続くアメリカ南東部





熱帯低気圧になったマシューですが9日の早朝(現地時間)にはまだ風速33mの勢力を保ったままケープ・ルックアウトの南56kmの位置で北東にむかって時速23kmで移動しています。





マシューのまっただなかから台風の目にフライト



ノースカロライナ州のパット・マクロイ知事は1999年の「フロイド」以来の大洪水になるかもしれないと住民に対して警戒を呼び掛けています。しかし、すでにアメリカ南部全体で11人が死亡しており、洪水の被害によって一部の道路が通行不可能の状態となっています。



死者は強風による倒木の下敷きになるなどが原因で、フロリダ州で5人、ジョージア州で3人、ノースカロライナ州で3人となっています。






また大規模な停電も発生しています。8日にはおよそ200万世帯以上が電気がつけられずに夜を過ごしています。内訳はサウスカロライナ州が83万3000世帯、フロリダ州が67万3000世帯、ノースカロライナ州が45万7000世帯、ジョージア州が27万6000世帯となっています。



アメリカ南部では8月にルイジアナ州などを中心に大雨で洪水が発生し、8000人近くが避難する事態が起きています。




<追記>

12月1日に国連の潘基文(パン・キムン)事務総長は2010年にハイチで起きたコレラの大流行について国連の対応が不十分であったとして謝罪をしました。


これまでに専門家の調査によって、コレラはネパールの平和維持活動部隊が持ち込んだという事実が確認されています。







参照

http://www.afpbb.com/articles/-/3103705
http://www.aljazeera.com/news/2016/10/hurricane-matthew-haiti-battles-cholera-outbreak-161009042525983.html
http://edition.cnn.com/2016/10/09/us/weather-matthew/index.html
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016100900013&g=int
http://www.afpbb.com/articles/-/3109962

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