グランド・ルネッサンスダムの影響について3ヵ国が調査の合意

水場のエチオピア女性

エチオピアが力を入れる「グランド・ルネッサンスダム」の建設




ナイル川上流に40億ドルをかけて6000メガワットを生み出す水力発電を備えた「グランド・ルネッサンスダム」を建設する計画を進めている中で、参加国であるエチオピアとエジプトとスーダンが環境と経済に及ぼす影響について調査を開始しました。




ナイル川をめぐる利権



グランド・ルネッサンスダムは2013年から3ヵ国のあいだで建設が行われています。ナイル川の利権を巡って意見が対立するなど一時話し合いが進展しない状態にも陥っていましたが、2015年3月6日にスーダンの首都ハルツームで暫定合意がまとまり、来年の完成を目指して工事が進められています。





建設はイタリアのサリーニ・インプレジーロが請け負っていて、エチオピアとスーダンの国境から40kmほど離れた青ナイルで工事が行われています。



グランド・ルネッサンスダムはエチオピアとスーダンの国境付近で行われていますが、管理する川がナイル川という古代からエジプトの人たちにとって生活の基盤ともなる水源だけに、上流の2国だけでその利益を分け合うことはできません。



9月20日に3ヵ国はダムが完成したときに生まれるプラスの経済利益とナイル川の流れに手を加えることで出てくるマイナスの環境要因について詳しく調査する合意に調印しています。







ダムの水力発電によって生み出す6000メガワットを周辺国に輸出することによって大きな利益が見込まれているのはこの計画を推進しているエチオピアで、一方のエジプトは国内で人口が増加している中でナイル川の水量などに影響がでないという確証を求めています。


エジプトはダム建設の計画に今も消極的な立場を崩していません。当初は2016年に完成する予定だったグランド・ルネッサンスダムでしたが、エチオピアはエジプトが建設費用のための寄付や投資を行わないように圧力をかけていると主張しています。今回の調査はそうしたエチオピアとエジプト両国のあいだに溝を埋めることを目的としています。



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急速な経済成長を遂げるエチオピア




エチオピアは過去10年連続で経済成長率が10%を超える発展を見せており、2014年には10.3%で世界1位の成長率を記録しています。ダム活用のために今後20年で120億ドルをかけて経済効果の向上を図ると政府が発表していることからも、好調さがうかがわれます。


首都のアディス・アベバはアフリカ連合(AU)の拠点都市で、2015年9月には国内初の電車「ライト・レールが運行を始めるなど、街の開発が急速に進んでいます。


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アディス・アベバのライト・レールと建設中のビル


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参照

http://www.reuters.com/article/us-egypt-ethiopia-dam-idUSKCN11Q178
http://jp.reuters.com/article/eg-idJPKBN0M20AD20150306
http://japan-indepth.jp/?p=15803
http://toyokeizai.net/articles/-/121233



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