リビア沖で亡くなった難民の数が1週間で700人を越える


北アフリカから海路でイタリアを目指す難民が増加




国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はこの数日間に地中海のリビア沖で船でヨーロッパに渡ろうとして亡くなった難民の数がもっとも多くて700人に達すると発表しました。




この1週間、北アフリカからヨーロッパに向かう難民船がイタリア南部のリビア沖で難破、沈没する出来事が多発しています。




関連記事:ギリシャでトルコへの難民送還はやめるべきだという判決が下される。その理由は?




船からイタリアの沿岸警備隊や海軍によって救助された人の数は数日のうちで1万人以上に上っています。




連日難民船の事故が発生したリビア沖




25日にはイタリアの巡視艇が遭難した難民船を発見。560人以上が救助されましたが5人が死亡。100人近くが行方不明になっています。


26日にも前日にリビアのサブラタを出港したボートが転覆し、30人近い死者が出た模様で、550人が行方不明になっています。ボートそのものにはエンジンがなく、大型船に曳航されていました。



27日には135人が難民船から救助されましたが、45人の遺体が水から引き揚げられ、行方不明になった人の数についてはわからない状態です。



そして28日にNGO団体「セーブ・ザ・チルドレン」の報道官による発表で、400人の移民を乗せた船がやはりリビア沖で沈没し、ほとんどの人が行方不明になっているとのことです。




バルカンルート封鎖の影響か




毎年、海を渡って北アフリカからヨーロッパを目指す難民の数は暖かくなってくるこの季節に増え、昨年も船が転覆したり発見する前に死者が出たりという悲劇が起こっています。




しかし、特に今年はEUとトルコの間で陸路のバルカンルートが封鎖され、ギリシャからトルコへ強制送還される措置が取られたため、北アフリカから海路で南イタリアを目指す難民が増えているようです。救助された難民はイタリアのターラント港かポッツァロ港へと運ばれます。



参考記事:EUとトルコの難民送還の合意。バルカンルート閉鎖の背景




また、国境なき医師団の推定ではこの1週間の死者の数は700人よりも多い、900人にも上るとされています。



一方、リビアから渡ってきた難民の数は1週間で1万3000人以上だとイタリア政府は発表しています。




<追記>
2016年にヨーロッパを目指して地中海を渡ろうとして死亡、あるいは行方不明になった人の数が5000人を超え、過去最悪となりました。


12月22日にも難民や移民を乗せた2隻のゴムボートが転覆し、100人近くが死亡したとUNHCRが発表しています。





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