ラルフローレンが事業再建に向けて従業員1000人削減と50店舗の閉鎖を発表


ニューヨークマディソン通りのポロ・ラルフローレン旗艦店
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全従業員の8%にあたる人数の削減




アメリカの高級ブランド、ラルフローレン社は7日に従業員およそ1000人の削減と50店舗の閉店、在庫の処分など売り上げ成長の立て直しを図る計画を発表しました。





4月の時点でラルフローレンの直営店は493店舗で、従業員は2万6000人。今回の事業再建費用は最大で最大4億ドル(約430億円)、年間のコスト削減規模は1億8000万〜2億2000万ドルになる見通しです。




この先の通期と第一四半期におけるラルフローレンの株価は下降していくと見られ、経営規模縮小の発表があった7日早朝(現地時間)に一時86.32ドルで10.4%の下落を示し、最終的には2.36%安で取引を終了しています。




店舗の閉鎖や百貨店向けの商品を削減するために短期で売り上げは減少すると見られ、今年度の通期売上高は約12%の減少が見込まれています。





ラーセンCEO 「会社の規模を見直す」





日本だけに限らず各国で消費者が以前より高級ブランドへの志向が弱くなっていることや、H&MやZaraといった短いサイクルで商品を提供できるファストファッションとの競合で押されている現状が浮き彫りとなっています。





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時代の変化が速くなっている現代にラルフローレン社も対応するべく、これまで新商品が店頭の棚に並ぶまでには15ヶ月かかっていましたが、これを9ヶ月にまで短縮するつもりだとしています。






ラルフローレンの事業再生計画を打ち出したのは2015年11月に創業者のラルフ・ローレン氏に代わりCEOに就任したステファン・ラーソン氏(49)。H&Mに在籍していた15年間で売り上げを30億ドルから17億ドルにまで成長させ、店舗展開も12ヵ国から44ヵ国に伸ばし、ヴェルサーチやカール・ラガーフェルドとの提携を呼び込んでいます。







その後ギャップ社のオールドネイビーでグローバルプレジデントの座につき、新商品発売までの時間短縮や低価格で流行を取り入れたデザインに焦点を当てた商品の提供で実績を上げていました。




ラーソンCEOは今後、「ラルフローレン」「ポロ」「ローレン」のブランドを中心に据えた方針で事業を立て直すと投資家たちとの会合でコメントしてます。





今回の経営規模縮小の方針でラルフローレンが現状では厳しい経営状況にあることがわかりましたが、元H&Mの社員だった2人を幹部に招き入れるなど、就任から半年が経ち、ラーソン氏は着実に大手高級ブランドの改革を進めているとも言えるのでしょう。










参照


http://www.reuters.com/article/us-ralph-lauren-restructuring-idUSKCN0YT1E2?il=0
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060800142&g=int
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-07/O8EYV1SYF01V01
http://jp.wsj.com/articles/SB11520750371802253976804582115070543083572
http://www.senken.co.jp/news/corporation/ralph-lauren-stefan-larsson-150930/
http://jp.fashionmag.com/news/%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%95-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3-%E5%85%83H-M%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%9D%90%E3%82%92%E5%B9%B9%E9%83%A8%E3%81%AB,693105.html#.V1d3SdSLTGg





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