コロンビア革命軍(FARC)とロンビア政府が武装解除について合意

                                        https://youtu.be/mZqdEG7fYaE

南米でもっとも長い内戦を終わらせるためのステップ




8月5日にコロンビア政府と左翼の反政府勢力「コロンビア革命軍(FARC)」は、6月に和平調印を行った内容を進めるものとして、FARC9000人のゲリラ兵士の武装解除を国連の監視下の元でどのように行っていくかについて合意に達しました。






1960年代からすでに50年以上も続き、これまでに26万人が死亡、4万5000人以上が行方不明になり700万人以上が避難生活を送っているコロンビア内戦フアン・マヌエル・サントス大統領とティモレオン・ヒメネス最高司令官が停戦合意に署名し、南米史上最も長い内戦に終止符が打たれようとしています。





国連監視下での武装解除の具体的な方法などの合意




今回の合意内容は安全に武装解除を行う手順やスケジュールをどのように国連と協力して行っていくか、具体的なプロセスを確認しゲリラ兵士がコロンビア国内で市民生活に参加できるようにするためのものです。








FARCの中でもコロンビア国内の50人と、その他の国にいる10人については国連の監視がない状態での行動が認められることになります。南米に散らばる26の関係組織は8カ所に集結し、180日以内にすべて国連に引き渡されることになるとコロンビア政府側の代理人であるウンベルト・デ・ラ・カジェ氏は説明しています。





「話し合うべき内容にすべて合意に達したら、議会に提出し、(停戦についての)国民投票を実施することになるだろう」とサントス大統領は4日に語っています。ここまで3年近くにわたり、キューバが両者の調停の役を担い半世紀におよんだコロンビア内戦が終結に向かっていますが、これが実現すればFARCが活動資金としていたコカインの栽培や密輸が減少し、それに代わって農作物の作付けが可能になると見られています。





コロンビア市民の中には、FARCに対して妥協を許さない立場を貫いてきたウリベ元大統領を支持する人たちもいるため、ゲリラ兵士をいかに社会生活に復帰されられるか、サントス大統領としては力が問われることになります。




FARCは共産主義の影響を受けた左派武力勢力で、もともとは1960年代初頭に貧しい農家が治安を守るための自警団として組織されたものです。コロンビア政府の掃討作戦の結果、現在の兵士の数は1万人にとどかないくらいですが、最盛期にはその倍以上の数が所属していました。




設立された当初はマヌエル・マルランダが指導者の立場にあり、麻薬の大量輸出や誘拐、強奪によって資金を集め、殺人や武力攻撃を政府に対して続けてきました。


現在のティモレオン・ヒメネス最高司令官(通称ティモチェンコ、本名ロドリーゴ・ロンドノ・エチェベルリ、略名ロドニョ)は2011年に前最高指導者のカノ司令官が政府の治安部隊によって殺害されてからその座に就いてます。


政府との合流後もFARCは政党となり、ヒメネス氏もそのままトップに留任します。






コロンビア政府とFARCの4年にわたる和平交渉がようやく結実したことになりますが、10月2日に合意内容を承認する国民投票が行われます。




<追記>
コロンビアの国民投票が10月2日に行われたものの、結果は否決されました。国民投票に法的な拘束力はないものの、FARCの市民化に対してコロンビア国民の多数が受け入れがたいという姿勢を表明したことになります。


紛争地帯で暗殺とみられる事件が発生するなど、両者のあいだで結ばれた和平協定が水泡に帰かけていると危機感を募らせた政府とFARCは11月24日に修正した和平協定に改めて署名しました。



内戦で使われた弾丸を加工したボールペンで署名しています。


修正案については野党が内容が表面的な変更にとどまっているとして反対していますが、今回は国民投票にかけられないため、与党が多数を占める議会で通過する見通しとなっています。









参照


http://www.reuters.com/article/us-colombia-peace-talks-idUSKCN10G26O?il=0
http://abcnews.go.com/International/wireStory/colombia-farc-agree-cease-fire-plan-accord-signed-41152259
http://www.afpbb.com/articles/-/3091449
http://www.afpbb.com/articles/-/3093413
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror.asp?id=248
http://www.moj.go.jp/psia/ITH/organizations/N_MS-america/FARC.html
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092300145&g=int
http://www.afpbb.com/articles/-/3109109



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