ベネズエラがコロンビアとの国境を再び開放。3万5000人が日用品などを買いに

                9日の国境開放の様子                  
                                      https://youtu.be/TUGx_6VUGkU


食料品や薬などを中心にククタのスーパーマーケットへ買い出し



7月9日にベネズエラとコロンビアの国境が1年ぶりに解放され、3万5000人のベネズエラ人がコロンビアに食料などを買い求めに殺到しましたが、16日にも2回目の解放が行われ、やはり3万5000人がコロンビアへと買い出しに訪れました。



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前回は国境が解放される時間は12時間でしたが今回は8時間で、17日にも開かれる予定となっています。主に女性や高齢者が食料や薬をスーパーマーケットに飼いに行くために、整然と並び入国の手続きを待ち長蛇の列を作っていました。



続くベネズエラ国内の物資不足




世界有数の産油国であるベネズエラは2014年の原油価格の低迷が経済を直撃し、国内はインフレが進み、生活物資が不足する事態になっています。




参考記事:OPECが2017年世界の原油需給見通し発表。ブレグジットの影響も






コロンビア側の国境沿いの町ククタでは国境開放の通達からにわかに活気づき、コロンビアのルイス・ビジェガス防衛相も「ベネズエラの人たちに十分行き渡るように必要品をそろえた」と自信を持って迎え入れています。







コロンビアの移民局や軍、警察の人数も通常よりはるかに増員されて、手続きや警戒、誘導を行っています。




昨年夏に封鎖された2219kmの国境





一方のベネズエラのマドゥロ大統領は、国境付近の人たちに迷惑がかからないようにする前提のもとで隣国への入国を認めました。




マドゥロ大統領がコロンビアとの国境2219kmの閉鎖を命じたのは2015年8月で、コロンビアから犯罪組織がベネズエラにやってきて日用品やガソリンなどを安い価格で売っていたために、これを取り締まる目的とコロンビアの前政権時代にがコロンビア川の警備隊がベネズエラ警備隊を攻撃し、3人の負傷者が出たからでした。




コロンビアでは南米史上もっとも長い内戦が政府とコロンビア革命軍(FARC)との間で続いていましたが、両者の間で今年になって和平合意が締結され武装解除が進められています。




国内の物資不足を招いたり、公共サービスの停滞を招いた責任はマドゥロ大統領にあるとして、野党を中心として大統領罷免の弾劾裁判の署名が市民のあいだで集められ、裁判所に提出されています。



参考記事:マドゥロ大統領「大統領罷免の国民投票は年内には行わない」





マドゥロ大統領は日用品の不足は商業者のグループが引き起こしたものであると主張しています。米州機構はベネズエラへの制裁などを検討していますが、これに対してキューバのラウル・カストロ議長はラテンアメリカの左派勢力の一角であるベネズエラのマドゥロ政権を擁護し、無条件の支援を行うと発表しています。



<追記>



12月12日にベネズエラは新紙幣発行を前に72時間のコロンビア国境封鎖を発表しました。超インフレのために価値が著しく低下してしまった100ボリバル紙幣を廃止し、同額の硬貨に移行し、2万ボリバル紙幣を発行する措置が取られます。

ベネズエラ国民はボリバル紙幣を米ドルに交換したり日用品の購入にあてるために封鎖前にコロンビア国内に数多く移動しました。


しかし、72時間後も新紙幣が流通しなかったために国境封鎖が15日以降も延長されています。




参照

https://www.theguardian.com/world/2016/jul/17/at-least-35000-venezuelans-cross-border-to-colombia-to-buy-food-and-medicine
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-36818030
http://latino.foxnews.com/latino/news/2016/07/17/colombia-estimates-more-than-35000-venezuelans-crossed-border/
http://www.cnn.co.jp/business/35093630.html
http://www.afpbb.com/articles/-/3111557


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