総選挙の実施、必要ないという人が必要という人を上回る
メイ首相を支持する結果に
イギリスのEU離脱を巡る国民投票からおよそ1ヶ月が過ぎ、辞任を発表したキャメロン元首相に代わり、7月13日にはテリーザ・メイ新首相が誕生しました。
ブレグジットが決定した直後にはイギリス国内でも大きな動揺が広がりましたが、インデペンデンス紙が依頼してComResが行った世論調査の結果では、イギリス国民が2回目の国民投票やメイ内閣の是非を問う総選挙も求めていないということがわかりました。
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EU離脱について2度目の国民投票をするべきたと野党の労働党が保守党に求めていましたが、国民の57%は「必要ない」という回答を示していて、支持する人は29%にとどまっています。
国民投票のやり直しを求める署名は400万人集まっていますが、世論調査ではEU離脱の方針を維持する意見のようです。メイ首相も「ブレグジットとはブリテンがエグジット(外に出る)ことだ」としてやり直しは考えていません。
6月28日に労働党内での不信任投票が圧倒的賛成で可決されるも、一般党員の後押しがあるとして辞任を拒否したジェレミー・コービン党首は、「民主的に選ばれた人物が首相になるべきだ」として、早期総選挙を求めていました。
次期労働党党首の席を狙うオーウェン・スミス、アンジェラ・イーグルの両氏も国民投票のやり直し、あるいは総選挙の実施のいずれかを実現させるべきだと考えています。
メイ首相は国民投票を尊重したEU離脱に向けた手続きを進めることや労働者の権利を保障する政策などを掲げていますが、46%の人がこのままメイ首相の保守党政権を5年後まで継続させることを望んでいて総選挙は必要ないと応えています。総選挙が必要だと答えた人は38%でした。
Post-Brexit PM Theresa May Inherits a Heavy Burden https://t.co/FSd1bseC3n pic.twitter.com/Qby27sLgGT— Institutional Invest (@iimag) 2016年7月17日
インデペンデンス紙の調査では、メイ首相が「よい首相になると思う」と期待を持っている人は52%となっています。
メイ首相とコービン党首を比較した質問も
メイ首相とコービン党首のどちらが一般市民のことを理解しているかという質問に対しては、メイ首相と答えた人が31%でコービン党首が42%で、コービン党首に軍配が上がっています。
一方、「力強い指導者」、「世界を相手にやれる」といった項目となると、それぞれメイ首相が55%と48%、コービン党首が13%と11%という数字が出ていて、EU離脱に向けて不透明な将来のかじ取りをどのような首相に任せたいのかというのが浮き彫りになっているのがわかります。
「氷の女王」の指導力に寄せられる期待
「鉄の女」と呼ばれたサッチャー元首相以来の女性首相となるメイ首相は「氷の女王」と名づけられていて、情に流されずやるべきことをするその姿勢が今のイギリスの情勢における首相に求められている要素を持っているのかもしれません。
「政治家としての適性」あるいは「誠実さ」がどちらにあるかという質問についてはほとんど差がない結果が出ています。
参照
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/poll-second-eu-referendum-brexit-theresa-may-general-election-voters-a7140721.html
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/12/who-is-theresa-may_n_10954272.html
http://www.afpbb.com/articles/-/3092162
http://www.reuters.com/article/us-britain-eu-poll-idUSKCN0ZW11M
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