https://youtu.be/duL-2lk4rcI |
<情報の更新あり>
トルコ政府が鎮圧。クーデターは未遂に終わる
トルコで発生したクーデターは少なくても6000人の軍関係者が拘束されているようで104人が死亡していて、多くは若い兵士だということです。このクーデターで市民や警官に死者が90人以上、負傷者は1000人以上に上っています。
軍参謀長代行が会見を行いクーデターは失敗に終わったと発表しています。また、エルドアン大統領はクーデターの首謀者とみられるギレン師の身柄引き渡しをアメリカに要求しています。
クーデター側は「国家の平和協議会」の名で声明
7月15日にトルコのユルドゥム首相は軍関係者が政権転覆を図るクーデターを起こしたことを発表しました。軍の声明ではトルコの政権を掌握したとしていますが、レジェップ・エルドアン大統領はアンカラとイスタンブールで抗議行動をするよう市民に呼びかけ、16日にはエルドアン大統領を支持する市民数千人がデモを行っています。
トルコでは警官隊によってLGBTのデモ活動が放水車や催涙ガスなどによって散開させられるという出来事がありましたが、エルドアン大統領の呼びかけに応えて街の通りで多くの人がクーデターに反対する抗議を行っています。
参考記事:イスタンブールのLGBTデモを警察が催涙ガスやゴム弾で強制散開させる
現在、軍は市民に対して戒厳令を発令しています。「国家の平和協議会」とクーデター側は名乗っていて、「法的正当性を完全になくした行政府は幕引きするべきである」と政権転覆の理由を主張しています。
Witnesses are sharing images of the unfolding situation in Turkey https://t.co/ORG5sD99Wt (Pic: AP) pic.twitter.com/sd9sw5kWZV— USA TODAY (@USATODAY) 2016年7月15日
アジア側とヨーロッ側を結ぶ2つの橋を封鎖した兵士たちを歓迎する市民もいて、クーデターを支持する人もいるようです。
軍の戦闘機が国会議事堂を爆撃
エルドアン大統領側とクーデター側との戦闘も発生しているようで、トルコ国会議事堂に戦闘機による砲撃が加えられ、市民十数人が死亡しています。
Moment the parliament got struck by airstrike from coup loyal aircraft #Ankara #Turkey pic.twitter.com/aJJOopSsn5— Tonton du Bled (@NextDoorArab) 2016年7月16日
なお、CNNトルコはこの模様をTwitterでツイートした30分後に兵士が局内に現れて制圧し、報道を禁止している状態となっています。
また、アンカラにあるアメリカ大使館にいて銃声が外から聞こえたという話や、クーデター側の軍用ヘリコプターを戦闘機の攻撃で撃墜させたと政府関係者がCNNに伝えているという情報があり、衝突しているのはクーデター側の軍と政権側の警官隊で、トルコ警察17人が死亡しています。
1952年にNATOに加入したトルコでは軍の力が常に一定以上あり、1980年までのあいだに何度もクーデターが発生していた国でした。まだエルドアン大統領は2003年に首相の座につき、2014年から大統領を務めています。
エルドアン大統領は、クーデターに関与した人物は厳罰に処するとアタチュルク国際空港の外からコメントし、多くの大統領支持者に迎え入れられているということです。
ユルドゥム首相もクーデターは失敗に終わるだろうとし、「これは民主主義と市民の意志への挑戦である。両者への挑戦はそれなりの代価を支払うことになる」としています。
"No power is above the national will," declared President Erdogan outside Istanbul airport. https://t.co/rsAsg7EeHm pic.twitter.com/rnPOqZjSoW— Reuters Top News (@Reuters) 2016年7月16日
しかし、中心となる人物がはっきりしておらず、「国家の平和協議会」という名のもとに行われているのがトルコで過去に起きたクーデターと異なっています。
このクーデターを受けてトルコの通貨リラは急落し、約半年ぶりとなる安値を記録しています。アメリカのオバマ大統領はロシア滞在中のケリー国務長官と電話で話し、「民主的に」選ばれたエルドアン政権を支持し、軍事による政権奪取を認めない姿勢を明らかにしています。
<追記>
その後、大学研究者の海外渡航を一時禁止やクーデターに関与した人物を処罰するために死刑制度の復活に言及するなど国内の反政府勢力の粛清をエルドアン大統領は実行に移していきました。
さらに12月1日にはユルドゥム首相が大統領の権限を強化する憲法改正案の是非を問う国民投票を2017年に実施すると発表しています。改正案では大統領の選出回数の制限を緩和し、2029年まで在任が可能になります。
⇒トルコ関連記事はこちら
参照
http://edition.cnn.com/2016/07/15/asia/turkey-military-action/
http://edition.cnn.com/2016/07/15/world/live-blog-turkey/index.html
http://www.bbc.com/news/live/world-europe-36811357
http://jp.reuters.com/article/turkey-idJPKCN0ZV2L9
http://www.nytimes.com/live/turkey-coup-erdogan/
http://www.huffingtonpost.com/entry/turkey-military-operation_us_57893ec5e4b03fc3ee50db8a
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071600123&g=int
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071600130&g=int
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/15/story_n_11020990.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
http://jp.reuters.com/article/turkey-security-government-idJPKCN0ZW0UK?utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=578a9a7504d3013286e4f87d&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter
http://www.reuters.com/article/us-turkey-security-idUSKCN0ZX07S?il=0
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM02H7G_S6A201C1FF1000/
こんな記事もあります
- アタチュルク国際空港でテロ事件。イスタンブールでは6月に2度のテロ
- トルコのエルドアン大統領がEU内でのビザが免除されないなら難民受け入れを打ち切ると声明
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- トルコ政府が大学の研究者など海外渡航を一時的に禁止。海外逃亡を防ぐためか
- エルドアン大統領が反クーデターの集会で死刑制度の復活について言及