ルーブル美術館も洪水の影響で休館。セーヌ川岸は立ち入り禁止に

              https://youtu.be/6hDr73J3zBA より

25万点の美術品が水を逃れて避難



記録的な大雨が降り続いているフランスでは、首都のパリを流れるセーヌ川は34年ぶりとなる高い水位となり、町にあふれでた水が流れ込んでいます。世界的に有名なルーブル美術館も浸水の被害を免れるために2日から25万点の美術品が運び出す作業を行い、一時閉館することになりました。



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現代のフランス歴史を振り返ってみても、ルーブル博物館からこれほど早急に美術品が運び出されたのは改装のときを除けば1940年のドイツ侵攻以来のことになります。運び出された美術品の多くは主に古代イスラムやギリシャ、イタリアの文化品です。



また、同じくセーヌ川付近にあるオルセー美術館も閉館となります。







セーヌ川はふだんよりも5メートル以上高い水位に



金曜日の3日早朝(現地時間)にはセーヌ川は通常の水位よりも5.2メートルも高い6.4メートルに達すると見られ、政府の発表では週末にかけて水位は下がらないものと見られていますが、週明け以降、徐々に水は引いていくと予測されています。




大雨による被害はフランスにとどまらず、ドイツやベルギー、オーストリアというヨーロッパの広い範囲に広がっています。これまでに11人が洪水の影響により死亡しています。そのうち10人はドイツ南部、そして1人がフランス南部で亡くなっています。河川の氾濫や洪水による停電などの被害も出ています。



フランス国内では1日と2日で8000回の救助活動が行われ、2万人の住民が避難しています。





日常サービスが滞る首都パリ




セーヌ川の横を走る列車の路線はすべて運行中止になる予定で、川岸も立ち入り禁止になります。現在フランスはこの2週間パリも含めた国内全土で労働法改革に反対するストやデモなどが頻発しており、交通網や電力、ガソリンといった生活に欠かせないサービスが停滞しています。




6月10日からは4年に1度のヨーロッパサッカーの大規模な大会ユーロ2016がフランスで開催されますが、大雨による甚大な被害が発生とストライキやデモのため、パリの機能は著しく低下しています。



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今回の洪水による被害に対する保険会社の支払いは6億ユーロ(およそ727億円)になるとも言われ、セゴレーヌ・ロワイヤル環境相はフランス中部における被害はこの100年で最悪になる可能性があるとして引き続き警戒を呼び掛けています。






参照


http://edition.cnn.com/2016/06/03/europe/france-germany-flooding-art/
https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2016/06/02/amid-historic-flood-paris-museums-begin-evacuating-art/
http://www.france24.com/en/20160603-live-france-paris-floods-river-seine-6m-mark
http://nna.jp/free_eu/news/20160603eur008A.html
http://www.afpbb.com/articles/-/3088505





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