イギリス財務省がBrexit(イギリスのEU離脱)で1年は不景気になると分析

3.6%から6%の経済成長率の低下



イギリス財務省が23日に発表するBrexit(イギリスのEU離脱)が決定した場合のイギリス経済の短期で見たケースを分析した内容によると、EUからの離脱からおよそ1年ほど景気が後退するという予測結果が出ました。



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この分析ではEU離脱後から2年間イギリスは残留した場合に比べて経済成長率が3.6%低い状態が続くと見られていて、キャメロン首相とともにEU残留を目指すジョージ・オズボーン財務相はこの数字をもとにEU残留への投票を呼び掛けています。




「イギリス国民は自分の胸にこう問わなければなりません。わかっていながら不況への道に投票できるのか?と」(オズボーン財務相)




参考記事:英国のEU離脱に賛成の立場の人、反対の立場の人




また、EU離脱をするとインフレが進み、住宅価格も下落していくという予測が立てられています。EU離脱派の人たちが掲げている世界貿易機関(WTO)の規則への移行は貿易の障壁を生むことになり、経済の悪化を招くことになるとされています。




ただ、これは今回の分析で考えられる「まし」な未来の話で、これよりも厳しい状況になることも考えられるようです。




さらに悪い状況にも




EU離脱をした場合の経済成長率が3.6%から6%低い状態が2年続き、インフレは急激に進んで住宅価格は10%下落するという、もっと苦しい将来も考えられると今回の財務省による分析は見立てています。




今月初めにはイングランド銀行のマーク・カーニー総裁がEU離脱をすると二期連続で景気が後退するだろうと声明を出したのに比べるとはるかに悪い将来を予測していることになります。





EU離脱推進派の議員たちはこの分析結果にはかなり先入観が含まれていて、信用できる数字ではないとしています。





4月に財務省がすでに報告した分析では、離脱すると残留したときと比べて2030年までに家庭の平均所得が4300ポンド(およそ68万2500円)減少、ポンドの価値も12%下落するという予測結果が出ています。





オズボーン財務相は「イギリスはDIY不況を本当に現実のものにしたいのですか?」と、避けられぬ不要な不景気を招く必要はないと、訴えかけています。



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ややEU残留に傾きつつある世論





5月21日にOpinium社が行った世論調査では、EU残留が44%でEU離脱が40%という数字が出ています。Brexitの可能性は減ってきているようですが、どちらかまだ決めかねている人も少なくないため、ちょうどあと1ヶ月となった国民投票まで、両陣営は活動の手を緩めることはないでしょう。



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