コムキャスト社がドリームワークスアニメーションを買収。その目的は?

フィラデルフィア Comcast本社ビル

『シュレック』や『カンフーパンダ』などを制作してきたドリームワークスアニメーションの買収



28日(現地時間)にアメリカの大手ケーブルテレビ企業のコムキャスト(Comcast)がアニメーション制作会社のドリームワークスアニメーション(DreamWorks Animation SKG)を同社傘下のNBCユニバーサル(NBCUniversal)が38億ドル(およそ4100億円)で買収するという発表を行いました。




ロバーツ氏とバーク氏の直接交渉




ドリームワークスアニメーションを創設し、プロデューサーとしての仕事もしてきた最高経営責任者ジェフリー・カッツェンバーグ氏は新しく創設される「ドリームワークスニューメディア(Dream Works New Media)」の会長に退き、NBCユニバーサルの顧問という立場になります。




2週間前、コムキャストのCEO、ブライアン・ロバーツ氏とNBCユニバーサルのCEOステファン・バーク氏は買収のうわさが出ていたドリームワークスアニメ―ションのカッツェンバーグ氏に連絡を取ったそうです。そのときには中国の企業による買収の話が進んでいたようですが、もしこの話に興味があるなら、ぜひあなた方と交渉したいとカッツェンバーグ氏は答えたとのこと。



カッツェンバーグ氏はここ数年、会社の売却や合併を模索し続けていて、アメリカの玩具メーカーハズプロによる買収の話もあったり、2014年には日本のソフトバンクを買い手に選んだこともありましたが、いずれも不首尾に終わっていました。



カッツェンバーグ氏から連絡を受けたその後、急きょロバート氏とバーク氏はロサンゼルスに飛び、3者は内々に話を進めて38億ドルの買収で決着がつくことになりました。




NBCユニバーサルのアニメーション制作やテーマ開発、関連商品の強化





1994年の創立以来『シュレック』や『カンフーパンダ』などのヒット作を世に生み出してきたドリームワークス。NBCユニバーサルは今回の買収によってそうしたドリームワークスアニメーション作品の権利を利用してテーマパークや商品開発、テレビ番組の制作をする計画を立てています。コムキャストは 2009年12月3日にNBCユニバーサルを買収して以来、映画関連の事業に力を入れており、2015年9月28日には日本のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)も買収しています。



昨年、規制によってタイムワーナーケーブルの452億ドル買収を諦めざるを得なかったコムキャストにとっては10分の1以下となる今回の買収になりますが、ドリームワークスアニメーションの映画制作能力と知的財産権の効果は、これから十分得られるのではないでしょうか。




コムキャストの上級副社長でもあるバーグ氏はドリームワークスアニメーションが「力強い映画制作をするブランドであり、知の財産を有する深いライブラリー」であることが買収の理由だと説明し、「ドリームワークスはきっとこの数年で、わが社の映画やテレビ番組、テーマパーク、商品製作事業を成長させてくれるでしょう」と語っています。





また、バーグ氏によると、ドリームワークスニューメディアの指揮は『ミニオンズ』などを手掛けてきたユニバーサル・ピクチャーズ傘下のイルミネーション・エンターテイメントのCEOクリス・メレダンドリ氏が執ることになりました。







もっと読む












こんな記事も読まれています

Social