EUとトルコの難民送還の合意。バルカンルート閉鎖の背景。

EU 難民


トルコに大きく譲歩し、EUはヨーロッパでの難民問題の解決を目指す




ベルギーのブリュッセルで開かれていたEU首脳会議が、難民問題について1つの合意に達しました。密航によってギリシャに入国した難民や移民をすべてトルコが引き受け、そのかわりそこに含まれるシリア難民と同じ数だけ、トルコ領内で正規の手続きを取ったシリアなどからの難民をEU内に移住させるというものでした。

EU側がトルコに難民問題への協力を求め、協議を続けていましたが、合意に達するまでにトルコ側からの要求が飛び出すなど、交渉は難航していました。






それはどうやらEU加盟が長年のトルコが、その足掛かりとしようとしているEU圏内のビザ免除交渉を積極的に進めるよう求めたものと見られています。また、トルコへの支援金も60億ユーロ(7400億円)に増やすことも決定しています。





「欧州に不法移民が押し寄せる日々は終わりだ」とトゥスクEU大統領は難民危機の収束を印象付けています。2015年に85万人以上が通過したバルカンルートはトルコからギリシャを玄関口にしてそこからバルカン半島を通り、ドイツや北欧に到る難民や経済移民のコースのことを言います。





今回の合意によってこのバルカンルートを閉鎖させることになるわけですが、国際法で定められている難民の保護が守られない恐れがあるとして、グランディ国連難民高等弁務官が懸念を表明しています




また、トルコの難民キャンプは環境が劣悪であるとの報告もあります。



シリアは停戦中ではあるものの、政情の安定までにはまだほど遠い状態にあります。







そんな中、EUとしてはこれ以上先送りにするわけにはいかなかったということでしょう。8日にはトルコのダウトオール首相とギリシャのチプラス首相は会談し、難民送還の合意文書にサインして、難民問題への早期解決にEUとトルコは動き出しました。










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