ゆっくり、それでも確実に普及しているスマートスピーカーでのショッピング
日本でAmazonの「Amazon echo」、Googleの「Google Home」などのスマートスピーカーが発売されたのは、2017年のこと。2019年2月に電通デジタルによる調査では、日本におけるスマートスピーカーの認知率は76%であるものの、所有率となると5.9%にとどまっている。一方、アメリカにおけるスマートスピーカーの所有率はおよそ40%にのぼる。
では、そんなアメリカでスマートスピーカーを利用したショッピングはどの程度進んでいるのだろうか。
アメリカのスマートスピーカー利用のショッピング事情
U.S.eMarketerの最新レポートによると、当初予想されていたよりは、アメリカの消費者はスマートスピーカーを使って音声ベースのショッピングを利用している人の数は多くないようだ。2020年末までにスマートスピーカーを使って買い物をするアメリカ人は2160万人に達す見込みだが、これは、2019年第2四半期の予測よりも200万人ほど低い。それでも、その数は全体的に増加傾向にある。アメリカの全デジタル購入者のうちの10.8%がスマートスピーカーを使って購入することになるという。
予想されていたよりもスマートスピーカーを利用したショッピングが普及していない理由としては、次のようなことが挙げられる。
- メーカーへの信頼性がまだ低い
- 支払いの安全性やプライバシーの保護についての不安
- 多くのモデルで画面が表示されないため、購入へのアクセスが良くない
ただ、スマートスピーカーを使って商品をショッピングカートに入れた後、オンラインで購入手続きをした場合にはスマートスピーカー経由の購入には算入されないため、実際にはもう少し高い利用率であると考えられる。
スマートスピーカーを利用した購入者数が下方修正されたのは、ユーザーがデバイス上で行う活動の種類に関する推計値が再調整されたことも一因にある。2019年第2四半期の予測では、2020年にはスマートスピーカーユーザーの27.9%がデバイスを購入すると予測されていたが、26.0%に引き下げられた。
日本ではスマートスピーカーそのものに対するなじみがまだ低いために普及が進んでいないが、利用者が興味を持つ商品のセール情報を告知するなどの方法によって、さらに利用率は上がる見込みだ。