南極の気温が過去最高の20度越え




南極 地球温暖化

シーモア島で20.75度を観測

南極大陸の南極半島東岸に位置するシーモア島で観測を行っている、ブラジル人研究者Carlos Schaefer氏は、2020年2月13日に観測史上最高となる20.75度の記録を得たという発表を行った。


南極シーモア島の位置



ただ、世界気象機関(WMO)は、この報告を認識しているとしながらも、南極大陸が初めて20度を超えたと言うのは時期尚早だとコメントをしている。場所、装置の種類、測定実施方法、装置の較正についての分析を行ってからではないと、正式な数値としては認められないという。

また、観測を行った土壌学者のCarlos Schaefer氏も、一時的な観測結果であるので今回の記録だけで何か意味を持つものではないとしている。セイモア島では2月6日にアルゼンチンのエスペランサ研究基地で18.3度が記録されており、これについても世界気象機関は確認を行っている。


海面上昇に対する南極の氷河消失は今どのくらいのリスクになっているのか

ポツダム気候影響研究所およびコロンビア大学の気象学者であるAnders Levermann氏によると、この100年で約19センチメートルの海面上昇があったが、南極の氷河が消失することで、海面上昇は今世紀中に最大58センチメートルに達する可能性があるという。科学者たちが今世紀中に到達しうる海面の上昇数値は、炭素排出量に対する大気の温暖化の反応、海洋から南の海洋への熱輸送など、さまざまな要素により幅がある。もし人類がこれまでと同様に温室効果ガスを排出し続けた場合には、6センチメートルから58センチ。温室効果ガスの排出量を大きく減らすことに成功すれば、その幅は4センチから37センチに収まる予測となっている。


南極大陸の年間平均気温は、海岸付近の地域では約10度で、内陸部の最も標高が高い場所ではマイナス60度になるという。南極大陸の氷床は地球全体の淡水のおよそ90%が集中している。仮にすべての氷床が溶けた場合、地球の海面を約60メートル上昇する。





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