噴火したアグン山(バリ島)とは?ライブカメラの映像あり


54年ぶりに噴火したインドネシアの”火の神の住む山”、アグン山

インドネシアのバリ島の北東部に位置するアグン山が11月21日の夕方に小規模な噴火を起こしたと政府が発表しました。噴火はそれから次第に大きなものになり、27日には火山灰が4000m近くにまで達しています。




バリ島の信仰対象であるアグン山とはどのような山なのでしょうか。



アグン山(Gunung Agung)とは

アグン山はインドネシアのバリ島の北東部にある山で高さは3142mあり、バリ島ではもっとも標高が高い山です。






前回は1963年に噴火している活火山で、ほとんど同じ火口から何度も火砕流や溶岩などが噴出して積み重なってできた成層火山です。ちなみに富士山も同じ種類の成層火山。富士山の高さは3776 mなので、それよりも600mほど低いことになります。


それだけ高い山であるので、このあたりの地域の気候にも大きな影響を与えています。上の地図を見ると、アグン山の南西のブサキ地域は降水量が多く水田が広がっていますが、北東のクブは乾燥した土地になっています。


これは、西から運ばれてきた雲がアグン山にぶつかり雨を降らせ、山の東側には乾燥した空気が降りていくためです。


現地ではヒンドゥー教の聖なる山として信仰の対象となっていて、活火山であることから「火の神の住む山」とされています。


山のふもとにはバリ・ヒンドゥー教の総本山であるブサキ寺院があります。


ブサキ寺院とアグン山(Photo by CEphoto, Uwe Aranas)

1963年に噴火したときには1000人以上の死者が出る災害となりました。






1963年の噴火

噴火が起こったのは1963年2月18日。その前の噴火から100年以上が経っていました。今回のように小規模な始まりではなく、大きな音とともに火口から噴煙を上げ大量の噴石が降いだのでした。


2月24日には溶岩がアグン山の北側を流れ始めます。溶岩の幅は500~800m厚さは30~40mほどで、3週間流れ続けて全長は7kmに達しました。


噴火の規模はこれにとどまらず、3月17日にアグン山は突発的な大噴火を起こします。8000~1万mの高さまで立ち上がった噴煙は崩れるようにして地上に落ち、時速60km/hの火砕流となって村々を襲い、1000人を超える死者を出したのでした。


山の西側では50~70cmの火山灰を積もらせたこの噴火で、頂上の南にあった火口の一部が崩れて200m低くなり現在の標高となっています。





2017年の噴火

11月21日に噴火したアグン山は徐々に勢いが強くなり、一時小康状態となったものの27日に4000mの噴煙を上げ火山灰を拡散させています。






同日にインドネシア政府は警戒レベルを最高の「4」に引き上げ半径8~10km圏内の住民に避難を呼びかけました。また、バリ国際空港は閉鎖を決定しています。


現在のアグン山の様子は下のライブカメラの映像で見ることができます。








2018年2月10日に インドネシア火山地質災害対策局は1月24日を最後に小規模な噴火がなかったことから噴火警戒レベルを1段階引き下げました。


しかし、2月13日に再び噴火。噴煙は火口上空1500mにまで到達しました。












参照
https://www.volcanodiscovery.com/agung.html



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