ガボンで象牙目的にマルミミゾウが密猟。国立公園内で25000頭が犠牲に

マルミミゾウ

ガボンのマルミミゾウが10年で80%減少

アフリカの中部にあるガボンに生息するマルミミゾウが密猟によってこの10年で大きく数を減らしていることが、ガボンの国立公園庁とアメリカのデューク大学に所属するジョン・ポールセン氏らの調査によって明らかになりました。





アジアでの象牙需要はいまだに高く、もちろん日本もその例外ではありません。

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マルミミゾウとは?




マルミミゾウはアフリカの熱帯雨林に生息するゾウで、体長は大きくても2.5mほどで、体重は2.6~2.7tほどで、絶滅危惧種に指定されています。


アフリカにはもう一種類のサバンナ地方に生息するアフリカゾウ(サバンナゾウ)がいますが、こちらは3.3m、6tにまで成長するのに比べると小ぶりなゾウです。



マルミミゾウ|いきもの図鑑|ZOO CAN DREAM PROJECT


寿命は40年~60年くらいだと考えられ、果物や木の葉や皮などさまざまなものを餌にしています。アフリカの中央部から西部にかけての森林に生息していますが、中央部のマルミミゾウの半数にあたる10万頭がガボン共和国の森に暮らしています。




姿を消していくガボンのマルミミゾウ

ポールセン氏らの調査によって明らかになったのは、2004年から2014年までの10年間でマルミミゾウが密猟によって生息数がおよそ80%減少したという事実でした。また、保護区として設置されていたミケンベ国立公園内で2万5000頭が殺害されたということです。




ガボンのミケンベ国立公園はこれまでマルミミゾウにとって安全な場所であるとされていましたが、今回の調査によって、北側で国境を接しているカメルーンから公園内に侵入して密猟を行っていることが判明しました。



密猟者たちは殺害後にゾウから牙を持ち去り、ふたたびカメルーンに戻ると、国際的な象牙市場になっているであるドゥアラで売りさばいているのだということです。




「もはやどんなに広大で離れた保護区を作ろうとも、種を守れる保証はなくなってしまっています。利になると思うなら、密猟者たちはどこへでも行くのです」(ジョン・ポールセン氏)




ガボンは2011年からマルミミゾウを「完全保護」に指定し、密猟対策ために予算と人をかけ、没収した象牙の焼却処分を行ったアフリカ最初の国でもあります。




参考:ケニアで過去最大規模の象牙焼却を公開




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しかし、2016年の調査によると、違法な取引によって出回った象牙の90%がアフリカで採集されたものだという結果が出ています。アジアなどを中心に需要が高い象牙は密猟者にとって大きな収入源であり、得た収入でさらに殺傷能力の高い武器を入手し、また密猟を行うという悪循環に陥っていて、こうしたブラックマーケットがテロ組織の資金源にもなっていると指摘されています。



2016年10月にワシントン条約締結国会議で各国の国内象牙市場を閉鎖するよう勧告する決議が採択されます。




ワシントン条約でアフリカゾウやマルミミゾウなどの象牙の国債取引は禁止されていますが、条約締結以前のものは輸入が許可されており、合法となっています。


しかし、市場に出回ってしまった状態では、合法なのか違法なのか判別をすることは難しいとアフリカ各国は訴えていますが、印鑑などに象牙をしようしている日本は国内での市場が管理されているという立場から廃止に反対しています。




その一方で、世界で最も大きな象牙市場となっていたアメリカと中国は2017年末までに国内の取り引きを全面的に閉鎖することを決定しています。



マルミミゾウはガボンやカメルーンで絶滅危惧種に指定されていて、元の状態にまで戻すには1世紀近い時間がかかるとも言われています。ただ、ポールセン氏は米中の決定が他の国にも影響を与えるであろうこと、そして保護区の中心部のゾウは無事であることに希望が持てる要素があると見ているようです。






参照
https://news.mongabay.com/2017/02/more-than-25000-elephants-were-killed-in-a-gabon-national-park-in-one-decade/

http://voices.nationalgeographic.com/2017/02/21/more-than-80-percent-of-gabons-rare-forest-elephant-species-lost-to-poachers/
http://www.afpbb.com/articles/-/3118626
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016123100117&g=int






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