*追記あり
自動運転の実現に向けて開発を進めるテスラ・モーターズ
9月11日の電話会議でテスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は運転支援ソフト「オートパイロット」バージョン8.0の更新を発表し、安全性の向上を強調しましたが完全な自動運転の実現はすぐそこなのでしょうか。
5月に起きた死亡事故もバージョン8.0があったら防げたとマスク氏
イーロン・マスクCEOTesla CEO Elon Musk revealed what he called “dramatic improvements” to Autopilot technology: https://t.co/NnvNQNBp2P pic.twitter.com/IOh0eXezae— Los Angeles Times (@latimes) 2016年9月12日
5月にテスラ車のオートパイロットシステムを利用して運転している最中に衝突事故が起き、死亡者を出してしまっていた同社は、バージョン8.0でさらなる高性能のシステムを開発し、レーダー信号の重要度を高めて安定して高速度の車道走行を保障する安全機能を2週間以内に提供するとマスク氏はコメントしています。
2014年10月以降に販売されたテスラ車が対象となる新しい機能は、ドライバーがハンドル操作を全く行わない自動運転に近づく前進であるとされ、マスク氏は安全性がこれまでの3倍にまで最終的には高まるだろうと説明しています。
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自動運転の導入は行わないというマスク氏の同意
しかし、テスラ経営陣は現状ではドライバーがハンドルから手を離し、完全に走行をソフトに任せることは難しいという判断を車載カメラを製造しているモービルアイ社に伝えています。
モービルアイはテスラ・モーターズに対し、以前から十分な技術と制限された条件下が実現しない限りは自動運転の実用化には反対していて、同社のCEOで最高技術責任者でもあるアムノン・シャシュア氏はかつて行ったマスク氏との会談でもまだ自動運転の導入をしないという約束を取り付けている状態となっています。
Our Co-founder, CTO and Chairman Prof. Amnon Shashua shares approach to #autonomousdriving https://t.co/HkYH1VAOHp pic.twitter.com/yaFKFPkRtx— Mobileye (@Mobileye) 2016年1月14日
アムノン・シャシュア会長
ところがテスラ・モーターズはその後にアメリカの公正取引委員会とのやり取りの中で完全に手を離しての自動運転に向けてのソフトを昨年から開発しているということで、モービルアイは2013年から続けていたオートパイロットシステム開発の提携を打ち切っていて、マスク氏も15日に同社との契約を終了したという発表をしています。
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モービルアイとの提携打ち切りと新しいオートパイロット機能は、今後は自社でシステム開発をしていくという方針の表れと見ることができます。ただ、テスラ・モーターズも今回のオートパイロット機能8.0へのの更新ではまだ完全な自動運転を行うことはできないとしています。
それでも高速道路を走るスピードでおよそ3分間ドライバーがハンドルから手を離した状態でも問題がない状態になるとマスク氏は述べています。
#Tesla Autopilot Upgrade Will Make Radar A Primary Control Sensor https://t.co/sQeZ4WnHpY pic.twitter.com/47vFY7jWdm— EverCharge (@EverCharge) 2016年9月16日
シャシュア会長はモービルアイとしてはまだ十分な安全性が確保されていない状態であるにもかかわらず、自動運転に向けた一歩を進めてしまったテスラ・モーターズとの提携はこれ以上続けられないというのがその理由であるとしています。
BMWとインテルとモービルアイ
テスラ・モーターズとの契約終了のニュースが流れる2ヶ月ほど前になる7月1日に、BMWとインテルとモービルアイが自動運転技術の分野において協業するという発表を行いました。
自動運転技術:BMWが2021年に無人運転の実現を目指す、インテル、モービルアイと協業 - MONOist(モノイスト) https://t.co/XFLbt6BSEm @monoist_todayさんから— MONOist(モノイスト) (@monoist_today) 2016年7月5日
BMWの次世代モデルとなる「BMW iシリーズ」の「BMW iNEXT」において、BMWが車両、インテルが人工知能、モービルアイがセンサーカメラの技術を分担します。
<追記>
10/30
イーロン・マスク氏は10月19日にこれから生産されるテスラにはすべて「完全」自動運転機能を備えたハードウェアを搭載することを発表しました。外界を認識するカメラは1台から8台に増え、車の周囲360°、最長250メートルの範囲を認識します。また、超音波センサーは12個になり、これまでの2倍の距離範囲の障害物を検知できるようになりました。
マスク氏は来年度末までにはロサンゼルスからニューヨークのアメリカ横断をまったく手を使わずに完全運転だけで達成してみせると明言しています。
12/5
テスラ・モーターズが日本で新型電気自動車SUVの「モデルX]の試乗会を12月1日に行っています。まだハンドルから手を離すことはできませんが、車線内を一定の速度で自動運転する機能が備わっています。
そろそろ日本でも納車が気になる頃。— ベストカー編集部員 (@bestcarmagazine) 2016年12月2日
注文された方はいますか?https://t.co/E3Ikt6MvXf
【公道試乗】テスラ初のE-SUV、モデルXを試してみた pic.twitter.com/Eu4XznlSsh
新型の設備では30分で270kmの走行が可能な充電ができます。価格は895万円~1649万2000円で日本では12月下旬から納車が始まります。
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参照
http://business.financialpost.com/news/transportation/tesla-motors-inc-hopes-to-release-a-new-version-of-its-autopilot-software-on-wednesday
http://www.reuters.com/article/us-mobileye-tesla-idUSKCN11M2GO
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07275490V10C16A9000000/
http://jp.wsj.com/articles/SB12260954658240904189704582308453229359574
http://toyokeizai.net/articles/-/141641
http://mainichi.jp/articles/20161202/k00/00m/040/045000c
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1607/05/news059.html