ガボンで不透明な選挙結果に抗議する野党支持者と治安部隊が衝突

                                       https://youtu.be/4UC_EfngkNw

ボンゴ大統領が当選を「掠め取った」と野党支持派




ガボンの大統領選挙の結果が出てから2日が経っても、現職のアリー・ボンゴ・オンディンバ大統領の再選に対して抗議する野党支持派と警察当局の衝突が続き逮捕者のみならず死者も増える事態が続いています。







8月28日に実施されたガボン大統領選挙は現職のオンディンバ大統領と元アフリカ連合委員長で野党候補者ジャン・ピン氏で争われましたが、29日には両候補が勝利宣言を出し、さらには相手が選挙の不正を行ったと指摘していました。





正式な選挙の結果が出たのは31日で、内務省はボンゴ大統領の再選だと発表しています。ピン氏との票差は6000に満たない数でした。




これを不服としたピン氏を擁立している野党を支持する市民数千人は再集計を要求。ボンゴ大統領が当選を「掠め取った」として首都リーブルビルで抗議活動を始めました。抗議デモはすぐに暴動へと変わり、車や町に火がつけられ、ショッピングモールに押し入り商品を略奪していく人も現れました。




国会議事堂に放火





これに対して政府は武装した警察治安部隊が鎮圧に乗り出し、両者の間で銃撃戦が繰り広げられ、国会議事堂に火がつけられました。




その後、国会議事堂に放火した容疑者を拘束するためとして、大統領の警備をしている部隊が野党本部を急襲。ヘリコプターで空爆を仕掛けた後、建物内部に突入し、19人以上の重軽傷者がでているということです。





これまでに1000人以上が拘束され、少なくても5人の死亡が確認されています。








その後も町に出て抗議行動をする人たちもいましたが、すかさず治安部隊が出動して追い払っています。




ボンゴ大統領は声明を発表し、「民主主義とは破壊することではない。国会や国営テレビ局を破壊するのが民主主義ではない。たやすいことではないが、民主主義がうまく機能するようにわれわれは努めなければならない」とコメントしています。




また、票の再集計をする指示はガボンの憲法裁判所が出すものであり、要件を満たした請願書を提出する必要があるとしています。





一方、アルジャジーラの取材に対し、ピン氏は「国内外問わず、すべての人が間違いなく選挙に勝ったのは私だとわかっている。疑いようのない事実だ」と答えています。




透明性を欠いた大統領選挙





元宗主国のフランスをはじめとしたEU各国やアメリカは選挙結果の透明性を求めていますが、ガボン国内のインターネット環境が遮断されていたり、外国の要人や報道陣がリーブルビルの各所立ち入りを禁止されている状態となっています。






ボンゴ大統領は2009年に父親のオマール・ボンゴ・オンディンバ前大統領が在職中に心不全で亡くなった後に行われた選挙に立候補して3代目のガボン大統領に就任しています。





しかし、ボンゴ大統領は7回の選挙で再選して42年というアフリカ最長の任期だったオマル・ボンゴ氏の実際の子ではなく養子で、国籍はナイジェリアなのではないかという疑惑が以前から噂となっていました。




国籍がガボンでなかった場合には大統領選挙に立候補する資格そのものがないことになるため、選挙前にはボンゴ大統領のいとこで対立候補の1人だったレオン・ポール・ヌグラキア氏はDNA鑑定を要求していました。




そうした疑惑がくすぶる中で、さらに不透明な選挙結果が示されたために野党支持者の不満が爆発したようです。








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参照

http://www.aljazeera.com/news/2016/09/gabon-libreville-reels-clashes-erupt-vote-160902075742959.html
http://www.afpbb.com/articles/-/3099399
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016080600072&g=int

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