アラスカのシシュマレフで気候変動のために移住する住民投票が通過




海岸線が浸食しつづけているシシュマレフの町




アメリカのアラスカ州にあるシシュマレフ市で8月16日に非公式の住民投票が行われ、これから免れないであろう気候変動による土地の浸食から逃れるために移住することが決定しました。






アメリカではウェストバージニア州やルイジアナ州で歴史的な大雨による洪水が発生し、カリフォルニア州では6月から大規模な山火事が続くなど、これまで見られなかった気象現象にやはり気候変動の影響があると考えられています。また、6月は世界の平均気温は過去最高を更新しています。





南国オセアニアのツバルなども海面上昇によって島が水没してしまうことは避けられないとされていますが、はるか北のベーリング海峡近くのアラスカ州サリチェフ島にあるシシュマレフ市も洪水や浸食により徐々に生活できる土地が減少しています。











イギリス政府によると2050年までに世界で2億人が気候変動による影響を受けて住む土地を変えなければなくなるだろうということです。



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移住と環境整備に莫大な予算






投票の結果は移住に賛成が89票、反対が78票。わずかに賛成が上回る結果になりました。すでに移住の候補地は上がっていて、シシュマレフから8kmほど離れた本土の2カ所のうちのどちらかに町ごと移転することになります。





ただ、2004年に市が算出した概算では、完全な移住にはおよそ1億8000万ドル(およそ180億円)の費用がかかるということです。





シシュマレフの住民は全部で600人ほどでほとんどが先住民族のイヌピアットの人たち。反対票が多かったのはやはり長年住んできた土地への愛着があったためかもしれません。しかし、1969年と比べると海岸線は60メートル近く浸食してしまっています。







海岸線の浸食を食い止めるために2005年から2009年には2700万ドルの予算が当てられています。しかし、上の写真のように2006年に浸食して地盤が弱くなったうえに嵐に遭って家が倒壊する被害が出る事態も起きています。





シシュマレフの人たちの移住はこれまでにも1973年と2002年の2度計画が持ち上がっていましたが、資金不足や候補地がはっきりしなかったことなどの要因から決定を遅らせてきました。





ようやく移り住めそうな場所が見つかり今回の運びとなったわけですが、そこは現在電力も上下水道も整備されていない状態のため、生活環境に必要な整備も行わなければならず、そのために移転費用とは別に1億1000万ドルがかかるとされています。





しかし、刻一刻と住む土地の浸食は進む中、ウェイオウアンナ市長は「何もしない、という選択肢はありえない」と必要な資金の調達を急いでいます。




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参照


http://www.nytimes.com/2016/08/20/us/shishmaref-alaska-elocate-vote-climate-change.html?_r=0
http://mainichi.jp/articles/20160819/ddm/041/040/132000c
http://www.cbsnews.com/news/climate-change-shishmaref-alaska-vote-mainland-move/



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