インドネシアのインドラワティ財務相がタックス・アムネスティ後の警告


インドネシア経済立て直しの請負人





インドネシア政府が7月にタックス・アムネスティを施行してからおよそ1ヶ月。それから10日ほどあとに財務大臣に復帰したスリ・ムリヤニ・インドラワティ氏は租税逃れをしている資産家に対し、わずか2%の追徴税で助かる「天国」は2017年3月までだと警告しました。









インドラワティ新財務相はかつてインドネシアのテクノクラート(高度な専門知識を持った行政官)で2006年から2010年まで財務大臣をとして経済を立て直し、6年間世界銀行の専務理事を務めてふたたび同国に戻ってきた人物です。国の財政健全化と投資家からの信頼回復に努めたいとコメントしています。



インドラワティ財務相がインドネシア経済のかじ取りから離れてから同国は赤字傾向になり、国債発行額も2008年には500兆ルピアだったものが2015年には約1455兆ルピアと3倍近くまで上昇しています。





ブロジョネゴロ前財務相が成立させたタックス・アムネスティはそうした厳しい状況にある赤字予算を回復させる方法として期待されていましたが、これまで当初見込んでいた数十億ドルにはるか及ばない金額にしか達していません。




「天国か地獄か」







「基本的には天国か地獄か。この制度はたった2%の税金を納めるだけで罪は消去され、天国に向かうことができる」





罰則の課税は9月30日までに申告すれば2%で、それから徐々に税率は上がり、最終的には5%となります。






インドラワティ財務相は制度の利用に二の足を踏んでいる租税回避者に対し、罪をあがない「天国」に行けるだと形容し、逆に言えばタックス・アムネスティの期限終了後には容赦しない「地獄」が待っているという圧力をかけてもいます。




「この機会を利用しなければ、そのあとの私はもうなあなあにはしない」





最高でも2017年3月までに申告すれば最高でも5%の税率ですが、期間中にアムネスティ(恩赦)を受けなかった場合にはその資産に対して400%の追徴課税がかけられることになっているので、まさに天国と地獄といったところです。






富裕層への課税が緩いインドネシア





これまでに制度によって徴収できた金額は7570億ルピア(約5761億ドル)で、インドネシア政府が見込んでいた額の0.5%にとどまっています。



(⇒2016年9月6日時点で223兆9000ルピアに増加。そのうち国内の申告が175兆2100億ルピア、海外から国内に還元される申告が13兆800億ルピア、海外から国内に還元されない申告が35兆6000億ルピア)





インドネシアはもともと徴税率が低い国で、海外企業は求められている税金を納めているものの、現地の企業や資産家は法人税や所得税の支払いが見逃されているのが現状です。インドラワティ財務相はそうした国内と国外の税務格差をが投資家の信頼を得ることを目標に上げています。




また、ジョコ大統領は国内企業の成長を促すためにタックス・アムネスティ失効後に法人税率の引き下げを検討してます。




「本腰を入れて、国内を国際社会と同じレベルにするつもりです。インドネシアは関係者すべてがこの準拠レベルに合わせるべき時期に来たのだと思います」












参照

http://fortune.com/2016/08/19/indonesia-tax-amnesty-indrawati-finance-minister/
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-27/OAYIVJ6KLVR501
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-08-19/indonesia-s-indrawati-aims-to-build-trust-to-boost-tax-revenue
http://www.newsyataimura.com/?p=4100
https://www.scgr.co.jp/report/survey/2016091419563/




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