フランス議会内の性差別やセクハラを17人の女性閣僚経験者が糾弾

                https://youtu.be/VzoL6UoKGQg より

看過されてきたフランス政界における性差別の問題




「私たちはいろいろな理由で政治に携わり、守るべき思想も異にしていますが、この社会に性差別があってはならないという意見を共にするものであります。この様な惨状はフランス政界に限ったことではありません。政界こそそんな現状と決別し、範たる行動を示さなければならないのです」



15日にフランスで発行された新聞"Journal de Dimanche"に、これまでフランスの閣僚を務めた17人が手紙を送り、性差別とセクハラを受けた事実を公けにし、見逃されてきた犯罪の数々をもうなおざりにすることはやめるよう訴えました。






17人の書名の中には現在、国際通貨基金の専務理事を務め、サルコジ元大統領の下で経済大臣だったクリスティーヌ・ラガルド氏や、社会党に所属し元法務大臣のエリザベート・ギグー氏の名前も含まれています。




デニス・ボウパン衆議院副議長の辞任





今回フランス議会でのセクハラが大きな問題としてようやく取り上げられるようになったのは、16日に緑の党の政治家のデニス・ボウパン衆議院副議長がたびたび性的虐待やセクハラを行ってきたという事実をラジオやニュース番組が報道した結果によるもの。




フランスのメディアサイト「Mediapart」は、ボウパン氏から性的嫌がらせを受けたという8人の国会議員や緑の党関係者から得た証言を集めており、1990年代後半からすでに行われていたということです。



ボウパン氏はこれにより9日に衆議院副議長を辞任していますが、本人は事実無根の中傷であるとして、名誉棄損を主張して抗戦する構えを見せています。




しかし、冒頭での17人の女性閣僚経験者からの手紙にあるようにフランス議会ではセクハラや性的虐待が黙認されているのが事実のようです。






2015年にも「その手を離して」という題で"Libération daily"紙に女性特派員たちがミシェル・サパン財務相からセクハラを受けたという投稿をしていましたが、ボウパン氏が辞任した翌日にサパン氏はこの事実を認めています。




"Journal de Dimanche"紙に寄せた17人の女性閣僚経験者の手紙(一部)





「それまでずっと男性だけで占めてきた世界に足を踏み入れる私たち女性は、誰もが同じように性差別と戦わなければいけないのが実情です」



「相手の女性の立場がどうあれ、従業員であろうと、学生であろうと、ホームレスであろうと、主婦であろうと、政治家であろうとも、こんな発言は許されません。『あの大きな胸を取ったら、彼女に何が残るかね?』相手の女性に下卑た声で『スカート長いよね、もっと短くしたほうがいいよ』とか『G-ストリングつけてる?』というのもありえません」



「女性の働く権利。それには家の外に出て、批評や怪しげな手の標的になることなく交通機関が利用できる環境が不可欠です。何度も何度も言わせないでください。こんな声明を書かせないでください」


「もううんざりです。免罪はここまでにしなければいけません。我々はこれからあらゆる性差別を含んだ発言や不適切なしぐさ、不適切な行動を組織だって糾弾していくつもりです。セクハラや性的暴行の被害を受けているすべての人を力づけるため、それらを公けにし、問題を指摘していきます」







フランスには性差別やセクハラを取り締まる法律があるものの、それが有名無実化して適用されていないのが実情で、これまで被害を受けても声を上げる女性が少なかったのがその原因だと考えた17人の女性たちは、これを機に被害を明るみに出し、法の取り締まりを強化するよう求める運動を展開していく意思を表明しています。








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