「戦争と資本主義と自由」をテーマにローマのパラッツォチポラ美術館で
社会風刺をテーマにしたストリートアートを行うイギリスの覆面芸術家、バンクシー(Banksy)のステンシルや彫刻など、これまで世に知られていない作品の数々がイタリアのローマにある美術館で展示されることになりました。
5月24日から9月4日の間でパラッツォチポラ美術館で開かれるこの展示のテーマは「戦争と資本主義と自由」。
ただ、バンクシーが公式に認めた展示ではなく、バンクシー作品に含まれている社会的、政治的なメッセージの意味を分析することを目的に当美術館が独自に行うものです。
作品は120点以上に上り、バンクシーが屋外に書いた絵ではなく、すべて個人の収集家が所持しているものであるとキュレーターは説明しています。
その素性がいまだにわかっていないバンクシーは法や権力をあざ笑うかのように作品を残していくことから「芸術テロリスト」と呼ばれることもありますが、2014年に描かれた壁とともに彼の作品が持ち出され、オークションにかけられるという出来事がありました。
「許可なく絵が描かれている壁を世に出してしまう人が許されるという事実に、私は嫌悪感を覚える」
とバンクシーはこれに対してコメントしており、パラッツォチポラ美術館は今回の展示が非公式ではあるものの、そうした行為が行われていないという説明をしています。
2015年にはバンクシーの本拠地であるイギリスで「ディズマランド」という本家とは対極的な"dismal"(憂うつ)な国をプロデュースし、5週間限定でオープンしました。
バンクシーファンを中心に多くの人が訪れ、彼の影響力の大きさが改めてわかるイベントになりましたが、1990年代からストリートアートの活動を始めてきたバンクシーがこれほど世界中に知られるようになったのには、画像を瞬時に共有することが可能になったためだと、美術館のキュレーターであるアコリス・アンディパさんは考えています。
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