「パナマ文書」とは何なのか。名前があがった世界の政治家や著名人の反応は?



史上最大のリーク「パナマ文書」



ことの始まりはドイツの新聞社、南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)が受けた匿名のメールでした。その後、南ドイツ新聞が入手したおよそ2.6テラバイトの量の文書には、過去40年間の世界中の政治家や富裕層がパナマのタックスヘイブン(租税回遊地)に実体のないペーパーカンパニーを作ってオフショア取り引きを行ってきた事実を記録したものでした。



パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出したこの史上最大になるであろう文書が「パナマ文書」と呼ばれているものです。1100万件以上の情報があり、マネーロンダリング(資金清浄)や、課税と捜査をかわしてきた方法について言及しているといいます。




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パナマ文書を手にした南ドイツ新聞は国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と協同して、100以上のメディアグループと情報の裏付け調査を1年かけて行ってきました。情報をリークした人物はモサック・フォンセカ内部の人物だと見られていますが、明らかにはなっていません。



その文書には驚くような人物の名前、あるいはその近親者の名前がありました。





たとえば、



  • バシャール・アルアサド大統領(シリア)
  • シグムンドゥル・グンロイグソン首相(アイスランド)
  • ペトロ・ポロシェンコ大統領(ウクライナ)
  • マウリシオ・マクリ大統領(アルゼンチン)
  • ムアマル・カダフィ(リビア、処刑されている)
  • ウラジミール・プーチン大統領の側近(ロシア)
  • 習金平 国家主席の親族(中国)
  • デービッド・キャメロン首相の父親(イギリス)
  • ナワーズ・シャリフ首相の息子(パキスタン)    



また、俳優のジャッキー・チェンさんや、FCバルセロナに所属するサッカー選手リオネル・メッシ選手、アカデミー賞受賞経験もある映画監督ペドロ・アルモドバルさんの名前もあるようです。また、モサック・フォンセカは北朝鮮やイラン、ジンバブエなど、アメリカが経済制裁の対象としているような国々の33の個人や企業とも取引を行っていたことも明らかになっています。



パナマ文書の公開を受けて、スペインやフランス、アメリカの当局はそれぞれの国内での汚職やマネーロンダリングによる脱税が行われていないか捜査に動き出しています。オーストリラアではモサック・フォンセカの顧客だった800人について調査を始めています。






突如として矢面に立たされることになった世界各国の指導者や著名人はみな口を閉ざすか、真っ向から否定しています。




オフショア会社を通じて資産を隠した疑いがもたれているアイスランドのグンロイグソン首相。アイスランドは2008年に財政破たんをし、国民は厳しい経済状況の中で生活しています。そこへ首相が資産を隠しているという今回の暴露を知った国民は4日に首相辞任を求める大規模なデモを起こしました。しかし、グンロイグソン首相は辞任の意志はないと発表。一方で、テレビでパナマ文書の質問をされている最中に席を立ってしまうという一幕があったようです。






※追記:現地時間5日にグンロイグソン首相は辞任を発表しました。


Click! 2016年に指導者が交代した国々(アジア・ヨーロッパ編)



プーチン大統領に近い人物が最大で20億ドルのオフショア取り引きに関係したとされたロシアでは、ペスコフ報道官が記者団との電話会談でプーチン氏やロシア、わが国、われわれの安定、近く行われるわれわれの選挙が、状況を不安定化させるための主要な標的だからだ」だとし、陰謀との見解を示しています。





習近平国家主席の義兄にあたる人物が取締役になっている英領バージン諸島のペーパーカンパニー2社がパナマ文書に名前があった中国では、一切の報道が禁止され、インターネットからの削除も行われています。習近平国家主席は腐敗政治の一掃を先頭になって取り組んできただけに、今回のリークにはかなり神経をすり減らす事態になりそうです。



過去記事:中国の「一帯一路」政策は膨らみ続ける。つながる「汎アジア鉄道」



親ロシア派武装勢力の戦闘のもっとも熾烈を極めていた2014年8月に、ポロシェンコ大統領は自身の菓子会社「ロシェン」をバージン諸島に移すために、ペーパーカンパニーのオフショア企業を設立していました。これについては「すでに説明責任を果たしている」としていますが、野党は議会が調査を行い、場合によっては弾劾にまで発展する可能性を示唆しました。





リオネル・メッシ選手が脱税目的で会社を設立していたという内容について、メッシ選手の家族がそれを否定し、所属チームであるFCバルセロナもそれを支持しています。






※オフショア取引とは…国内の金融資本市場に関する法的制約を受けない市場で、そこに住んでいなくても、取引が行える。









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