人工知能のチャットボットと会話して商品を購入する時代が来る
Facebookのメッセンジャーの新しいサービスにボットが導入されることになりそうです。Facebookの開発者向けカンファレンスのF8で、ユーザーと会話するボット「bots for the Messenger Platform」を発表されました。自分の代わりに人工知能(AI)を備えたチャットボットが相手とのやりとりをしてくれる、そんな近未来な時代はすぐそこなんですね。
出前を受けてもらったり、新しいバッグを買う対応をしてもらったり、サービスの終了までを自分でラジオボタンを押していって確定するのではなく、ボットが注文の完了までを対応してくれるようになります。
このメッセンジャー・アプリはFacebookの中だけではなく、あらゆる外部企業が使用できるもので、それぞれの会社に合わせてチャットボットを適用させられます。このサービスによって、Facebookの公式アカウントを持っている企業150万社と、同社のメッセンジャーを利用している月間9000万人がつながる潜在性が現実のものになります。
2015年にFacebookはWit.aiを買収し、Wit.aiのプラットフォームを利用して人工知能"M for Messenger"を製作しています。
「私たちは会話が好きな生き物なんです」と語るのはFacebookのメッセージング部門の副部長、デイヴィッド・マーカス氏。「人間の脳はそういうふうにできているし、そうやって人と人とはつながっています。そうだからこそ、会話というものがもっとも自然な形のインターフェース(接点)になるんだろうと思います」
調査会社のフォレスター・リサーチの報告によると、現在私たちが使っているスマートフォンなどのモバイルを使用する用途としては、アプリをいくつも集めたり、ネットの利用が主になっていますが、これからは補助的な働きをしているSiriやGoogle Nowなどの人工知能が主たる役割を担うようになるという結果が出ています。
生活の中でこれからもスマートフォンが重要なツールとして活躍し続け、私たちがその用途として人工知能とのやりとりに使う機会が大きくなってくるとなると、今回のFacebookが発表したようなチャットボットの存在を企業としては無視できなくなってきます。
公開されたようなプラットフォームで各企業がさらに進化したチャットボットを開発すれば、目当てのものが見つからなかったり途中で面倒になってHPから離脱してしまっていたような消費者が、商品を購入してくれるチャンスが広がることになるはずです。
Facebookはその他にも今回のF8で次のような発表を行っています。
- Facebookのモバイルアプリにライブ映像用のタブが加わる。ドローンからのストリーミング映像などが配信可能になる
- 「Facebook Surround 360」というバーチャルリアリティ映像が作れるカメラがリリース予定。1秒当たり60コマ。(過去記事:Oculus Riftが3月28日に発送開始。HTC Vive、PlayStation VRとの違いは?)
- ヘッドマウンドディスプレイが現在の大型テレビにとって代わる時代を目指す
- 「フェイスブックに保存する」のボタンが誕生する。Pocketなどと似たような機能で、後で読んだりシェアしたりすることができる
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