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3月15日の時点で獲得代議員数631人でトップを走るトランプ氏への逆風
共和党の大統領候補指名争いもかなりヒートアップしてきました。トップのドナルド・トランプ氏は3月15日の「ミニスーパーチューズデー」を終えたところで獲得代議員数を631人と伸ばし、401人で2位のテッド・クルーズ氏と170人の差をつけています。
しかし、トランプ氏が共和党の大統領候補になる可能性が高くなってくるにつれて、アメリカ国内で彼への批判、非難も日増しに大きくなってきています。
ロムニー氏がクルーズ候補への投票を呼びかけ
現地時間の18日に、共和党の主流派で前回の大統領選で候補者だったロムニー氏が、22日に行われるユタ州の党集会でクルーズ候補に投票するよう呼びかけました。「トランプ氏以外の候補者を選ぶには7月の党大会で決着をつける道しかなく、そのためにはクルーズ氏をできるかぎり選挙戦に残すようにしなければならない」と声明を出しています。
それに対してトランプ氏は先にルビオ氏やケーシック氏を支持しておきながら一貫性のない点を指摘し、「4年前に大統領選で負けたのも当然だ」とツイッターにコメントを寄せています。
Mitt Romney is a mixed up man who doesn't have a clue. No wonder he lost!— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2016年3月18日
ロムニー氏の声明は、現状のままだとトランプ氏が過半数の代議員を獲得してしまうという共和党主流派の見通しと焦りを表しているのかもしれません。
ニューヨークで抗議デモ
ニューヨークで19日に、移民擁護団体などが中心となってトランプ氏に抗議するデモが行われました。セントラルパークの広場とトランプ氏の住まいがある5番街の「トランプタワー」を行き来し、「人種差別とファシズムに反対」などのプラカードを掲げて行進しました。
トランプ氏は移民政策について、移民の強制送還やメキシコ国境への壁の敷設、イスラム教徒の入国禁止といった排斥の方針を打ち出しています。
こうした発言に対しての反発で、デモ隊の中にはトランプ氏の写真に口ひげが描きこみ、独裁者ヒトラーになぞらえている人もいたようです。
トランプ氏は移民政策について、移民の強制送還やメキシコ国境への壁の敷設、イスラム教徒の入国禁止といった排斥の方針を打ち出しています。
こうした発言に対しての反発で、デモ隊の中にはトランプ氏の写真に口ひげが描きこみ、独裁者ヒトラーになぞらえている人もいたようです。
アノニマスのハッキング攻撃
数週間前からトランプ氏を「強欲と権力を象徴する存在でしかない」と非難する動画を投稿し、「総動員の攻撃を仕掛ける」と宣戦布告した国際的ハッカー集団アノニマス。彼らの攻撃はトランプ氏のホームページにとどまらず、彼の個人情報にまで手が伸びてきました。
CNN Moneyの報道によると、アノニマスはトランプ氏の個人情報をインターネット上に流出させたとのことです。携帯電話の番号や社会保険番号といった個人情報が、トランプ氏だけではなく家族や広報担当、選挙対策本部責任者のものまで含まれていました。
CNN Moneyの報道によると、アノニマスはトランプ氏の個人情報をインターネット上に流出させたとのことです。携帯電話の番号や社会保険番号といった個人情報が、トランプ氏だけではなく家族や広報担当、選挙対策本部責任者のものまで含まれていました。
3月の攻勢をかけるというメッセージがそのままなら、まだまだアノニマスのトランプ氏へのハッキング攻撃は終わらないのかもしれません。
詐欺疑惑
2005年にトランプ氏が設立した、オンラインで不動産について学べる「トランプ大学」が詐欺罪に当たるとした審理が再開されることになりました。ニューヨーク州の司法長官エリック・シュナイダーマン氏は2013年にトランプ大学が高額な授業料(年間およそ400万円)に見合うほどの講義内容であったことなどから起訴をしました。
訴訟の内の一部は一審で却下されたのですが、3月1日に控訴裁判事4人で構成される委員会がすべての審理を再開することを認めました。
審理が進むということはどうしてもトランプ氏にとってマイナスイメージがさらについてしまうことは避けられません。もし有罪が確定すればそれどころではありませんが。
セレブたちからの非難
ハリウッドセレブたちからも非難が出始めています。特に際立っているのがジョニー・デップさん。12日にアリゾナ州立大学で行われたイベントで「あいつはまるでガキだ。すべてが自分のものだと思い込んでいるのだろう」など、過激にトランプ氏を批判しました。
また、ハリソン・フォードさんは昨年オーストラリアのインタビューで「彼がプレジデント(大統領)? 私はレジデント(見習い)だと思った」なんとも辛辣な皮肉を言っています。
批判とは少し違いますが、ローリングストーンズはもっと昔からトランプ氏とはそりが合なかったようで、スポンサーだったトランプ氏とローリングストーンズの契約も好戦的な内容になっていました。さらに最近の報道によると、記者会見場を巡り一触即発の状態になり、キース・リチャーズさんがナイフを抜いて激高したこともあったようです。
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