ドイツの大手航空会社ルフトハンザ航空は、今年の通年利益は減少するという見込みを発表しました。
減益の理由は、ヨーロッパ各地で頻発しているテロを懸念する人たちが航空便の利用を控えるようになったことを挙げています。
ヨーロッパへの長距離路線の予約が減少
最近では、7月14日にはフランスのニースで大型のトラックを暴走させ、少なくても84人が死亡する事件や、18日にドイツで斧を持った17歳が乗客を襲い4人が重軽傷を負う事件が発生していて、いずれもISに影響を受けたテロ事件だとされています。
また、3月に発生したベルギーのブリュッセルの同時多発テロや、6月のトルコのアタチュルク国際空港でのテロでは空港がテロの標的にもなっています。
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こうしたヨーロッパでの治安の不安が影響し、ルフトハンザ航空は欧州への長距離路線の国際線の予約が大幅に減少していて、完全な回復の見通しが立っていないとしています。
ルフトハンザ航空は今年初めの時点で南アメリカへの需要が下がっていることから成長計画の見直しを迫られていましたが、昨年12月から今年7月までの収益は8~9%減少すると発表しています。
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支払金利前税引前利益(EBIT)は2015年よりわずかに増えると当初は予測していましたが、これも減少する見込みで、2016年上半期の売り上げは昨年の同時期と比べて4億ユーロマイナスの150億ユーロ(約1兆7720億円)となっています。
ルフトハンザ航空だけでなく、ブリティッシュエアウェイズやイージージェットなども収益の減少を発表していて、これらの航空会社はイギリスのEU離脱も影響しているとコメントしています。
参照
http://www.wsj.com/articles/lufthansa-warns-on-profit-says-terror-attacks-have-significantly-hurt-advance-bookings-1469043224
http://www.reuters.com/article/us-lufthansa-results-idUSKCN1002JW
http://www.bbc.com/news/business-36852009
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