クリントン氏の私用メール問題についてFBIが本人に事情聴取。何が問題か、司法長官の対応について


事情聴取は「自主的」なものだとクリントン陣営




アメリカの連邦捜査局(FBI)は2日に大統領選挙の民主党指名獲得を確実にしているヒラリー・クリントン前国務長官がその在任中に公務で私用のメールサーバーを使っていた問題についてクリントン氏本人に事情聴取を行いました。


クリントン陣営が発表したもので、事情聴取は3時間半にわたったということです。



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クリントン氏は以前から事情聴取について受け入れる姿勢を示していて、「自主的に」受けたものだとスポークスマンは説明しています。





FBIはすでにヒューマ・アベディン氏などクリントン氏の周辺人物に対する聴取は済んでいて、7月25日に始まる民主党党大会の前にでも起訴の可否が明らかになります。民主党の代議員数の過半数を獲得し、6月24日にはライバルのバーニー・サンダース氏が党大会で自分ではなくクリントン氏に投票する意思を表明している中、もし訴追が現実のものとなれば民主党の選挙キャンペーンは大きな混乱に陥ることになります。




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「1年以上説明を続けてきた」というクリントン氏ですが、どうして私的メールを公務で私用することがそこまで問題なのでしょうか。





公務で私用アカウント、サーバーを使うことの問題点





基本的にはアメリカ政府の公務に関する文書は国民の所有物であるという考えのもと、メールを含むすべての文書が自動的に政府のアーカイブに保存される仕組みになっています。そして報道や研究機関にいずれは公開されることとなります。






国務長官時代に公務に関するやり取りをしているのにもかかわらず、私用メールサーバーを使ってしまったために「公文書」として記録されなかったことが非難の的になった理由でした。





しかし、実は歴代の国務長官も私用メールで政務についてのやり取りをしてきたのが事実で、2013年に国立公文書館(NARA)が公務員は基本的に公務に関する電子メールは私用アカウントを使うべきではないという指針を出していて、2014年10月に国務省は国務長官の経歴がある人物すべてに、電子メールの内容を提出するよう求めています。






クリントン氏もこれを受けて5万5000ページ以上のメールを国務省に提出しています。私的メールの使用について認め謝罪をしています。説明や対応はきちんとしてきたというのがクリントン氏の姿勢です。





また、私用メールを公務で使ってしまうもうひとつの問題点は、国家安全保障上の問題です。重要な外交問題などについてのやりとりをセキュリティが十分施されている政府が支給するアカウントを使わずに行った場合、他国がその情報を抜き取ってしまう可能性が出てくるというものです。





一方、クリントン氏に世論調査で現在9ポイント差をつけられている、共和党の指名獲得を確実にしたドナルド・トランプ氏はこの問題を幕引きするつもりはなく、2日にツイッターでこのことについてつぶやいています。









「FBIはヒラリー・クリントンの刑事訴追をすすめるしかないだろう。彼女もしょうがないことをしたものだな!ビルも頭悪いし!」




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リンチ司法長官が夫のビル・クリントン元大統領と個人的な会談で批判





トランプ氏が夫のビル・クリントン元大統領に言及しているのは、ロレッタ・リンチ司法長官と個人的な会談を行っていたことがわかり、世論から批判を受けていることを差してのコメントです。操作に関する話はしていないとリンチ氏は説明していますが、すべきではなかったとしています。




そのような中での今回のクリントン氏に対する事情聴取でしたが、リンチ氏は訴追についてはFBIと検察の決定を受け入れるつもりだと明言しています。





参照

http://www.reuters.com/article/us-usa-election-clinton-idUSKCN0ZI0RU
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070300022&g=int
http://jp.reuters.com/article/usa-election-sanders-idJPKCN0ZA2O8
http://jp.wsj.com/articles/SB11167655035836774773204580497364140217380
http://www.afpbb.com/articles/-/3092674



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