危機を感じて生きる現代のティーネージャー
経済不安や地球温暖化、国際的テロなど個人には大きすぎる社会的な問題へ敏感に反応し、影響を受ける。
それが今のアメリカやイギリス10代の若者に一般的に見られる傾向だという。9・11やマドリッド、ロンドンの同時多発テロ、EUの経済危機などの出来事の中で成長してきたこの世代は大きな不安を抱えて生きている。
正義と公正を大事にする「ジェネレーションK」の世代
「ジェネレーションK」は1995年から2002年の間に生まれた世代で、現在14歳から21歳の年齢になる若者たちだ。
ジェネレーションK、「Kの世代」という言葉は映画『ハンガーゲーム』に由来する。昨年、シリーズ3作目となる『ハンガーゲーム FINAL:レボリューション』が公開されるほどヒットしたこの作品が主役カットニス・エヴァディーン(ジェニファー・ローレンス)。その"Katniss"(カットニス)のKから名前を取ったのがジェネレーションKだ。
独裁国家パネムの中で反乱抑止の目的で毎年12歳から18歳の子供が選ばれ、最後の1人になるまで殺し合いをさせるサバイバルゲームが行われる。カットニスはそのハンガーゲームに選ばれてしまった妹の代わりに出場することになる、という設定の映画だ。
不条理や権力者の横暴などに正義と公正をもって立ち向かうカットニスのような性格を持っているのがジェネレーションKだとこの言葉を考えたロンドン大学のノリーナ・ハーツ教授は言う。
ジェネレーションKの世代はそれより上の世代とは明らかに違う。
ジェネレーションKの特徴
これまでのヘルツ教授の研究によると、ジェネレーションKの人たちにはこんな傾向があるという。
- 気候変動やテロなど大きな社会問題に大きな不安を感じている
- ちゃんと仕事に就けるか心配している
- 借金を将来つくってしまわないか心配していて、貯金をしている
- 勤勉、勤労。10年先のために努力する
- 飲酒をあまりしない
- 大きな企業や国を信用していない
- 物事を判断するにあたってスマホが何より大きな役割を果たす
- フェイスブックのつながりを重要視する
アメリカやイギリスがかつてほど世界において決定的な存在ではなくなってきて、国を動かしている組織に対してジェネレーションKは不信感を抱く一方で、信じられる存在が希薄になってしまったこの世代は将来に対して不安を強く感じているようだ。
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